ACT.03
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『だってあんな大きなモンスター初めてみたし…。だいたいなんでヴァンは平気なわけ!?普段水路のウェアラットしか相手にしたことないくせにっ!』
「それを言うなよっ」
俺だって必死だったんだからな、と。
どうやら痛いトコロを突かれたようだ。う…、とヴァンは言葉が詰まった。
「そんな事より、どーすんだ?肩貸しながら歩いてちゃ日が暮れるぞ。」
、と、バルフレアが聞いてくる。
う…。ど、どうしよう…
「俺が“お姫様抱っこ”をして差し上げましょうか?“お嬢様”?」
『“お嬢様”はやめてよっ!』
やたらと“お嬢様”を強調してくるバルフレアにむっ、と返した。
そんな中、ふとバッシュは呆れからか、ため息を一つ零し、■■の手を取ると背に回しおぶった。─所謂“おんぶ”というやつだ。
『え!?え!?え!?なっ、』
軽くテンパった。
私、今将軍の背中に乗ってる……じゃなくておぶわれてる…!?
「しばらくの間だ。我慢してくれ」
申し訳なさそうに言う将軍をよそに、■■は茹で蛸状態に至る。
『わ、私降ります!ヴァンにおんぶしてもらいますからっ!!』
「やだよ。なんで俺が、」
■■重たいし、と呟いた声はしっかりと本人の耳にも届いた。
『ヴァンの…バカーっ!!』
「──いてっ!」
投げた靴が見事ヴァンの頭にミラクルヒットしたのだった。
「靴投げるなって!どこで覚えたんだよそんな事…、」
『うるさいっ』
ギャーギャー騒ぐも結局■■は将軍に背負われたまま東ダルマスカ砂漠を進んだのだった。
ちなみに■■が投げた靴はちゃんとヴァンが回収済みだ。
『ごめんなさい。将軍の方がケガ人なのに…』
「私の事は気にしなくていい。…そんなことより、その“将軍”というのはやめてもらえないか?」
唐突に言ってきたものだから■■は「え、」と言葉を詰まらせた。
『そ、そんな…。将軍じゃダメなんですか?』
背負われているため将軍の顔が伺えない。
「私はもう将軍でも軍人でもないんだ。名前を呼んでくれればいい。」
『それは…私が困ります…。』
しゅん…と萎える■■。何故だ?と将軍が問う。。
『だって…私にとって将軍は、騎士団の誇り高い将軍なんです。』
「今の私には荷が重い言葉だな…。」
『あ、ごめんなさい!戒めるつもりで言ったんじゃないんですっ。ただ…』
ただ…、そこで言葉を終わらせた■■に将軍は顔だけ振り向かせた。
『ただ…、私にとって将軍は憧れの存在だから…。』
「───…!」
バッシュは一瞬、耳を疑った。─“憧れ”。…たしかに■■はそう言った。
『私の中の将軍は子どもの頃に初めて会ったあの時から何一つ変わっていません。』
「………。」
だから、馴れ馴れしく名前なんて呼べません。
そう嬉しそうに彼女は語った…。
しかし、“将軍”と呼ばれるのを嫌がっていることは事実。見過ごせない。結局は■■が折れ、“バッシュ小父様”と呼ぶことで解決したのであった。
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