ACT.03
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地下道から飛び出た途端、刀を突き立てた足に限界がきたのか、カクンと力が抜け、砂を纏うように■■は転んだ。
『うわっっ!!』
うぇっ、口に砂入った!
生温い風が吹き、■■の長い金髪をなびかせる。
■■は空を見上げた。隣では将軍も感慨深く、広がる大地を眺めている。
「ダルマスカの風がこれほど懐かしいとはな…」
『………、』
私も将軍と同じ思いだ。たった2日間、ダルマスカから離れていただけなのに…。
『(…どうしてこんなにも輝いて見えるんだろう…、)』
風も大地も空も。前までは“どうでもいい”とさえ思っていたのに。
─それが今では…、
大地が暖かく見える。
風が優しく感じる。
空が眩しいくらいに輝いて見える。
─まるで…、
『(殻を破いて出てきた雛鳥のような気分…)』
感傷に浸る■■の隣でヴァンが「ここ…どこだ?」とつぶやく。
「おそらくは■■の予想した通り…、東ダルマスカ砂漠、だな。干上がる前にラバナスタに戻るぞ。」
かまわんな?とバルフレアは将軍に聞く。それに将軍は頷き、返した。
「あぁ。一刻も早く戻りたい。人々は私を恨んでいるだろうが、果たすべき務めがある。」
そう言うと将軍は座り込んだままの■■の側に寄った。
「恐怖を消し去るには一番効果的だが…、誉められる事ではないな。」
そう苦笑いを零し、■■が自ら付けた傷に魔法を掛けてくれた。
申し訳なくなる。
『ご、ごめんなさい…。これしか思いつかなくて…、』
「次は無いぞ?」
痛みがほんのり消えていく。…が、未だ足に力が入りそうもない。
「大丈夫かよ■■、」
『うん平気。…、…には見えないよね…』
「すげぇ痛そう」
あからさまに眉を歪めるヴァンに■■は、ははっと笑った。
「血を流し過ぎたな…。立てるか?」
立ち上がり手を差し伸べる将軍を見やる。
足に力を入れようと、手を掴み、踏ん張ってみるが、どうもうまくいかない。…というより、力が入らない、そもそも出ない。
思わず■■は気まずそうに将軍を見上げた。
『た…立てない…』
「…。くっ!失血の問題ではなかったようだな」
「だっせーな■■。腰抜かして、」
『う、うるさいっ』
大声で反発するも、その赤くなった顔では恐くもなんともない。
あまり大きな声で言いたくないが、■■はミミッククイーンが恐ろしく怖かった。あれだけの巨大のモンスター。絵や書物でしか見たことがなかった。
ケラケラ笑うヴァンに■■はただ睨みつけるだけだった。
「■■にもそーいう“お嬢様”な所があったんだな」
『バルフレア!』
みんなしてからかわれる■■は、だんだん惨めな思いが込み上げてきた。ぐずっと鼻を啜りそうになった。
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