ACT.03
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いや…、とバッシュは口を噤んだ。いまはどうでもいいことだ。必要以上に関わって彼女を巻き込んではいけない。
『………。…■■です、』
「 ?、」
『…名前…、』
「!、…そうか。■■と言うのか。良い名だな。君はダルマスカ人か…?」
はい、と答える。
ダルマスカ生まれのダルマスカ育ち。■■はもちろんヴァンも生粋のダルマスカ人だ。
『………。』
将軍の事、信じた訳ではない。…だが、はっきりと恨み、嫌うわけでもなくて。顔には出さないが、心の中はものすごい複雑に混乱している。そのため微妙な態度を取ってしまう。
その態度がかえって不気味かもしれない。
休憩もそこそこに■■達は歩き始めた。さっきのバンガ族─ブロッホ─に方角を訪ね、北へ進む。
途中、素手で戦う将軍に■■が自分の武器を使うよう差し出したが、大丈夫だ、とやんわり断られてしまう。
仕方なく■■はヴァンと共に前線で戦った。途中ジーッと微妙な視線を投げかけてくるヴァンにイラつきながらも、どうせ将軍の世話を焼く事が気に入らない、といった所からだろうと自己完結する。
後方でバルフレアとフランが援護射撃をし、さらに一行の最後尾を将軍が守り、進む。
ヴァンは改めて思った。…いや、前から知っていたが…。■■が強いことを。彼女は剣捌きから身のこなし、基礎的な所までしっかりと身につけていた。
“幼なじみ”と言いつつも、■■の事あまりわかっていなかったのかもしれない。
…■■と出会ったのは随分昔のことだ
。確か12歳の時だったか。あの時、初めて会った■■は白色のワンピースを着ていた。ラバナスタの民が一生着ることのないような綺麗な服だった。
揺れる髪が、白い肌が、透き通った瞳が、一瞬天使と思わせた。
それだけで■■が“お嬢様”だと言うことはすぐにわかった。
…性格はイメージとは180゚違っていたが。
ただ、そんな世間的に“お嬢様”と呼ばれる彼女が、何故ダウンタウンにいるのかは分からなかった…。
『─ヴァンそっちに行ったぞ!』
「──…おぅ!!」
■■の声で我に返る。
刀を数回振り、鞘に収める■■。キン─と音が響く。
地下道を敷かれた線路に従って突き進む。ずいぶん歩いた気がするが、感覚が鈍っていて全く分からない。太陽の光も入らない坑道なので今が朝なのか夜なのか。
『…今って何時だろ…』
■■が呟く。
「さぁな。真夜中なのは確かだろうが…」
■■の疑問にバルフレアが答えた。
なんか前にもこんなやり取りをした気もするが…、
『はぁ!?じゃぁなに!?徹夜で歩いてるって事っ!!?』
「当然だろ。こんな所で野宿なんてしてられるかよっ、」
『………。…ど、どーりで眠いわけだ…、』
ガクリ、と肩を落とす。疲れがドッと押し寄せてきた。ヤバい…、目蓋が半開きだ…。
「大丈夫か、」
『…は、はい…。』
いや、全然大丈夫じゃない。…なんて言えない。気遣ってくれる将軍が一番体力的にキツイだろうに。なんとか頑張って笑顔を向けるがどことなく力無い。
(…ね、眠いっ…、)
おぼつかない足取りで、一行に遅れまいと、必死に最後尾をついて行く■■。そんな彼女を心配し、歩調を合わせてくれる将軍。
…なんか、すいません。ちょっと謙虚になります私、はい。
ひたすらに歩いていると、フランはミストの変化を感じた。
「ミストが荒れているわ、」
『?、それってつまり…、』
どういう事?といった視線をフランの相棒、バルフレアに投げかける。
慣れたように彼は腰に手をあて、答えた。
「大物が近いってことだ、」
へぇ~、と感心の声。
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