ACT.03
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『………。』
「やぁ、さっき大きな音がしたけど上で何かあったのかい?」
人だ。まさかの人がいた。…正確にはバンガ族だが。
こんな所で一体なにやってんだが。
『上の階段が崩れたんだ。通れないから地下道を抜けたいんだけど、あそこの配電機のヒューズが壊れてるんだ。なにか替えになるようなものは無いか?』
とりあえず事情説明。ふんふん、と聞いてくれるバンガ族はどうやら大人しい性格の持ち主のようだ。名はブロッホという。
「それなら廃材で造ったヒューズがあるよ。これで良かったら使ってくれ」
『ありがとうっ、お代はいくらだ?あまり手持ちはないんだが…』
「かまわんよ、それは。かわりになにか買っていっておくれよ。色々揃えてあるんだ」
そういいブロッホは商売道具を並べる。ポーションやら毒消しやらフェニックスの尾やら…。
しかし、それよりも気を引く物があった。…食料と水だ。
『食料と水を分けてもらえないか?4人…いや5人分。あと、ポーションを5つと毒消しを3つ。フェニックスの尾が2つ。』
「まいどっ!ありがとよ」
ブロッホは食料と水以外は小さな皮のバックに入れてくれた。商売上手なヤツだ。
彼に別れと礼を告げると再び階段を上がって行く。
配電機を弄るバルフレアとそれを真剣な表情で見つめるヴァン。いつの間に弟子入りしたんだか。
『下にいたバンガにこれもらったんだが…』
「お、ご苦労さん。」
と、バルフレアは■■に目を向ける事なく、差し出されたヒューズを受け取った。その姿がなかなか様になってると思ったのは秘密。
そのあとすぐ配電機が見事復活し、地下道に光が溢れ、明るくなった。
とりあえず坑道を進む前に少し休憩を取ることに。■■が仕入れてきた食料と水を飲む。なんだかんだであの水路から牢獄、ここに至るまでの数日間、何も口にしてなかったのだ。ありがたいおこぼれについ心も満たされる。
順番に配る■■が最後に恐る恐る将軍の側に寄った。
階段に腰掛けていた将軍。顔をあげると、目の前にいた■■という少女と視線が会った。
『し、将軍…?あ、あの…、これ良かったら、どうぞ…、』
「……いいのか?」
『…はい。あとこれも、』
そう言って上着のポケットから出したのはポーション。
これはパンネロから貰ったやつだ。
悪いと思いつつも、今は私より将軍の方が必要だろう。
「………。」
『あ、ひ、必要ないなら、いいんです…』
無言の将軍に、気分害したかと思い込む■■。…実際はそうではなくて。
何かと気を使ってくれる■■を不思議に…、また懐かしい気もになっていたバッシュ。
おずおずと差し出すポーションを優しい手付き受け取った。すまない…、と一言添えて。
『ケガ、あまりにも酷いから…』
「そうか…、すまんな。…だが、何故君はそこまで私に…」
…その先は言えなかった。何故、優しくしてくれるのか、と。
すると■■は困ったように笑い、なんとなく、と小さく答えた。
『自分でもよくわかってないんです…。ただ、なんとなくほうっておけないというか…、』
特に当たり障りなく。
バッシュもそうか、と納得した返事を返す。
そのまま■■もなんとなく将軍の隣へ腰掛け、食料に手をつけた。
その時の2人を包む空気は、どこかバッシュに懐かしい思いをさせていた。以前もこうして彼女に似た誰かと肩を並べて座っていたような…、
非常に落ち着かせる雰囲気を持つ彼女は一体…?
「…君は…」
『はい?』
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