ACT.03
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─────Σ!!!!
「ななな、なんだぁ!!?」
──…、
パラパラ…、
『あいててて…っ、こ、腰打った…』
有り得ない。生きてた(自分が)
ケホケホ、と舞い上がった砂埃を振り払う。よく生きていたものだ、あの高さを。頭上を見上げると、飛び降りてきた入り口の光が豆粒のように小さい。
再び視線を下げて周囲を見渡せば動く人影。ちょうど人数分あるところ、みんな無事のようだ。それと同じくバッシュも落ちた衝撃で牢と手枷が壊れ、自由の身になっていた。
「うわぁあー!!!」
『──…!!』
痛がる間もなく、顔を上げれるとヴァンが将軍に向かって殴りかかろうとしていた。つい、止めなければ、と足が動いたが、それより先にバルフレアがヴァンの首根っこを掴んで将軍から引き離す。
「うわっ」
引っ張られた勢いで転がるヴァン。「逃げ切ってからにしとけ」、とバルフレアに言われ、反論すれば、
「ならずっとやってろ。あの牢獄の中で一生な、」
そう言われたものだから、反論の余地も無くなってしまった。
「歩けるか。行くぞ」
バルフレアが将軍に話し掛ける。いかにも共に行動しようとするセリフだ。すかさずヴァンが「なんでこいつまで!!」と噛みついた。
「盾にはなるだろ」
「引き受けよう」
そう言ってバッシュは立ち上がる。瞬間、フラついた将軍の身体を咄嗟に■■は手を貸してしまう。
「──…っ、」
『あっ…─、』
ぱっとすぐに離れた。
何故そうしたのかはわからない。
…ただ、気づけば身体が勝手に動いていた…。
「─…っ、すまない、」
『っ!!─あ、い、いえ…、』
自分でも驚いて飛び退くように将軍から離れ、1人先を歩いた。
後ろから視線を感じる…。
きっとヴァンだ。信じられないといった目で■■を見ているだろう。
一行はバッシュ将軍を加え、出口を目指し歩を進めた。
「しっかし、ここどこだ?地形が全くわからねぇな、」
ぽつり、とバルフレアがこぼす。
『多分ここはバルハイム地下道の坑道の一つだ。』
「わかるのか?」
驚いて■■を見ると、彼女はコクンと小さく頷いた。
『ナルビナはちょうど東ダルマスカ砂漠の側だ。バルハイム地下道は砂漠の地下を張り巡らすように掘られているから、おそらくその一つがナルビナの下も通っているんだと思う。』
「ほぉ。よくご存知だことで」
つらつら、と述べるセリフは嘘をついているようには思えなくて。ただ者じゃないな、と思った瞬間だった。
皮肉なセリフを紡げば、意外にも変化球で返ってくる。
『ダルマスカの地形と地図は一度見たことがある。一度見たものは決して忘れないから…』
自慢するでもなく、皮肉った挑発に乗るでもなく。ただ本当のことを言う■■にバルフレアは知らず眉を歪ませるのだった。
ある意味どこかの空賊志望者より、空賊向きのようだ。
行き着いた先で、大きな配電機を発見した。
しかしもう何年も使われていない様子。調べたバルフレアによるとヒューズが完全に壊れてしまっているらしい。
『別になくても良いじゃん。松明でも作れば…』
「あるもんは使った方がいいんだよ。こういう場合はな。それに松明なんてつけてみろ。魔物に襲ってくれ、と言ってるようなもんだ」
『…、…そうなの?』
「さ、さぁ。」
なんかよく分からなくて、つい隣のヴァンに視線を向けたが、彼も同じく理解出来てなかったようで。最終的には、
「バルフレアが言うならそうなんじゃねえの?」
と、すっかり他力本願。バルフレアを信じきっていた。
「こりゃヒューズを代えないと無理か…。■■、ちょっと下行ってなんか探して来てくれ」
『はぁ!!?なんで私が!!』
「■■以外に誰がいる?フランは周囲を見張ってる、将軍は疲労が残ってるし、ヴァンは当てにならん。残るは■■、お前だけだ」
『だからってなんで私がパシリに使われなきゃならないんだ!!』
いいからさっさと行けっ、と追い払う仕草をするバルフレアを睨みつけた。
『やっぱり私お前嫌いだっ、』
「そりゃどうも。俺もあんたみたいな色気の欠片も無い奴はお断りだね、」
と、皮肉ったセリフを返してくるもんだから反論出来なくなり、■■は悔しさを表すように足音をドスドスならし、階段を降りていった。
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