ACT.23
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれからどうやってヴェインと会話を終わらせたのか、どうやって部屋に戻ってきたのか。
まったく記憶がない。
ただただ、ヴェインの言葉が永遠に頭の中でループしている。
それは夜が来ても消えず、眠れないほどに…。
『……。』
そんな日が何日も続いた。
アルフィナのあまりの変わりように侍女としてあてがわれた彼女達も心配するほど。
気分転換にと部屋に併設されているベランダ(もちろん脱出できる高さではない)で用意してくれた紅茶をちびちび飲んでいた。
「アルフィナさん…、」
『?、あ!ラーサー!』
恐る恐るベランダへ顔をのぞかせたのは、久しぶりのラーサーだった。
本当はもっと早く会いに来たかったのだが、これでも彼に与えられる執務ももちろんあって。
忙しい合間にようやくここへ来られたのだ。
…本当はラーサー自身、アルフィナに合わせる顔がない、とういうのもあったのだが。
傍らではちゃっかりガブラスもいる。
私がラーサーを人質に逃げたりしないか監視に来たのだろう。
「元気がないみたいですね…。」
『うん…、今回ばかりはさすがにね…、』
力なく笑う顔にラーサーはますます申し訳なく思う。
「すみません…。」
『なにが?』
「僕があなたをここへ連れてきてしまった。本当は来たくなかったでしょうに…。」
『……。』
「あなたをここへ連れてくることしか救う手立てが思いつかなくて、」
本当にごめんなさい。そういった彼の声は年相応の声だった。まるで母親か姉に叱られて反省している。そんな声。
『顔上げて。』
「…。」
『ラーサーはなにも悪くないわ。助けようとしてくれたんだし。それに帝都にはもともと来るつもりだったから。』
まさか1人で来ることになるとは思いもよらなかったが。
『ありがとうね、助けてくれて。』
「アルフィナさん…」
『あ、ラーサーも紅茶飲む?』
「…はい、いただきますっ」
ラーサーがようやく見せた笑顔にアルフィナはわしゃわしゃと頭を撫でた。
侍女のエマに紅茶を頼む。
ラーサーの傍に立つ無愛想な男にも一応声をかけてみるも…、
「結構。」
『そーですか。』
一蹴された。
それにラーサーがくすくす笑う。
『ガブラスっていつもこう?』
「そうですよ。いつも堅いんです。」
「……。」
もっと肩の力を抜いてもいいと思うんですけどね、とラーサーは言うがまぁ無理だろうな、という心の声が見事アルフィナとガブラスとで一致したのは内緒の話である。
その日からラーサーがちょくちょくアルフィナの部屋に遊びに来るようになったのだった。