ACT.18
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その体、あまり長くは持たぬことを忘れるな。
『まいったなぁ…。』
エンドレスに猊下の先ほどの言葉が繰り返される。
もう1人で抱えきれないほどになってきてしまった。
バッシュとフランは知っているが。
1人でどうにか出来る問題ではなくなってきている。このまま旅が続けば明らかに怪しまれるし、ごまかすことも難しくなるだろう。
それに万が一のことがある。万が一、体内の人造破魔石が暴走した場合そばにいるみんなに危険が及ぶ。それだけは避けたい…。
「話はもう済んだのか?」
『お待たせしてすみません。』
門のところでずっと待っててくれていたバッシュ。
宿屋に戻ろうと、アルフィナを促す。
「それで猊下のお話とは一体なんだったのだ?」
『んー昔ばなし?』
大まか過ぎな内容にバッシュは笑う。
なので事細かに猊下の話をバッシュに話した。
結果わざわざ呼び出してまでする話ではなかったような気もするが、重要な話は最後の方だったのかもしれない。
『バッシュ小父様…、』
なんだ?とバッシュはこちらを見る。
『私、みんなにこの体の事話そうと思います…、』
「なにかあったのか?」
最初こそは隠してようと思った。バッシュも承知の上で、だから出来る限るフォローもしようとも思っていた。
『…はい。猊下に言われたんです。この体、長くは持たないと…、』
「…それはつまり…、」
遠からず命を落とすということ…。
人並みに生きられないという意味。
バッシュは体が冷えていく感覚に襲われた。血の気が引くとはこういう状態なのだろうな思う。
『ただ、治す方法を探すことは出来ます。』
「…治せるのか?」
『分かりません。でも帝都に行くことが出来ればあるいは…、』
この体から“人造破魔石”を取り除く方法も見つかるかもしれない。
そのためにはアルフィナ1人では出来ることが極めてわずかと限られる。しかしみんなの知恵と力を借りられたらあるいは、と彼女は考えたのだ。
アルフィナが初めて、誰かに頼ろうとしているのだ。
バッシュはそれが嬉しかった。
自分も含め、皆に助けを求めている彼女を見て。
「皆、喜んで協力してくれるだろう。」
『……だといいな。』
大丈夫だと、自身なさ気な彼女の優しく頭を撫でる。
宿屋への道を歩く2人であった。
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