ACT.17
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自分の知らぬところで父親が殺された。その事実を受け入れられず、あまりのショックに放心状態のラーサーをよそに更に話は進む。
「ヴェインは戦争を望んでいる。都合の悪いことに、あいつは軍事的天才だ。」
「私も夢に告げられた。そなたが姿を現せば戦乱を招き…ヴェインが歴史に名を遺す。」
「帝国軍は全軍あげて開戦準備を進めてましてね、うちの情報では…
ヴェイン直属の西方総軍が臨戦態勢に移行し、新設の第12艦隊が進発。それと本国の第1艦隊も戦艦オーディーンの改装終了を待つばかりでもってケルオン派遣軍の第2艦隊が…第8艦隊の穴埋めに駆り出されますな。…つまり、どえらい大軍だ。」
「そして、切り札は破魔石」
アーシェの言葉にアルシドが頷いた。
「大僧正猊下。王位継承の件は、しばし忘れます。力を持たない私が女王となっても、何も守れません。より大きな力を身につけてから、あらためて。」
「そなたが夢見るのは、破魔石の力か?」
「破魔石以上の力です。」
アーシェが即答すると、今まで閉じていたアナスタシスの目が開いた。
「力をもって力に挑むか。まことヒュムの子らしい言葉よ」
「私は覇王の末裔です。」
「…ならばレイスウォールが遺したもうひとつの力を求めなさい。」
「そんなものがあるのですか!」
「パラミナ大峡谷を越え、ミリアム遺跡を訪ねなさい。レイスウォールが当時の大僧正に委ねた力が眠っておる。
破魔石を断つ"覇王の剣"。おのが覇業を支えた破魔石を砕く力を…
なぜ子孫ではなく他者に託したのか。剣を手にして悟らなければ、王国再興の夢は夢のままよ。」
アーシェはラーサーを気にするように横目で見つつ、神殿を出て行った。一行もそれに続く。
ラーサーがまだ放心状態なのが気になったのだが今はそっとしていおいたほうがいいと、他の仲間に続いた。
「私の夢も、やがて醒めるか…」
ラーサーだけが残された神殿に、アナスタシスの声が響いた。
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