ACT.02
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「お前の方が臭いって言ったのさ、このブタ野郎っ。」
『─…ヴァン!』
ヴァンがいた場所は地面を掘るようにして造られた円形の闘技場。よく見ると彼の左頬が赤く腫れている。おそらくシーク族にでもやられたのだろう…。
「■■はここに…、…っておい!!」
見るが早いか。ここにいろ、と言いたかったのだが、それを言う前に■■が颯爽と闘技場へと飛び降りてしまう。
…ったく。人の親切を無駄にしやがって。
『ヴァン、平気?』
「あぁ、よくここがわかったな。」
「お前を探すのは簡単だ。騒がしい所に行きゃ大概お前がいるからな。」
同じように降りてきたバルフレアが言う。
『ははっ。言えてる。』
「………。」
最早助けに来たのやら、バカにしに来たのやら分からないヴァンだった。
「■■、無茶はしてくれるなよ。面倒見切れないからな。」
『ご忠告ドウモアリガトウ。』
棒読みに近い言い方をする■■にやれやれとため息が溢れた。
『生憎、フェアじゃないケンカをする性分じゃなくてね。そこら辺のお嬢さんと一緒にしないでくれる?』
まるで、バルフレアに弱い、と言われたような気がしてならなかった。
「そーだったな。」、とバルフレアは小さく呟く。そしてシーク族に向かって軽く挑発をする。
ちょうど三対三のケンカ。
バルフレアの挑発に乗ったシーク族はドスドスっ、と足音を立て襲いかかってくる。
『──…ふっ!!』
とんできた拳を身体を捻らせ避けると、■■はその腕を掴み相手の勢いを利用して背負い投げ、闘技場の壁へと投げつけた。
自分の体格の倍以上あるだろうにたいしたパワーだ。
手をはたき、後ろを振り返ると残りのシーク族もバルフレアとヴァンにより倒されていた。
『へぇ、結構やるじゃん』
ちょっと見直した(ちょっとだけ)。とくにヴァンが。丸腰で武器を持つシーク族をいとも簡単にのしてしまったのだ。これは意外だった。
すると、突然複数の足音が聞こえてきた。
それに伴い、集まっていた野次馬共が蜘蛛の子のように散っていく。
…どうやら誰か来るみたいだ。
「─隠れろっ」
『わっ』
「いてっ」
■■の腕を引き、ヴァンの首根っこを掴み、やってくるヤツらの死角に入るように隠れた。引っ張った拍子にヴァンは壁に頭をぶつけてた。
恨めしく睨むヴァンを無視して、神経を研ぎ澄ます。次第に聞こえてくる足音に紛れてガチャガチャ…、といった音もする。ラバナスタでよく聞いた音だ…。
『─帝国兵…。…新しい囚人でも放り込みに来たか…』
「どうやら、そうじゃないようだ。様子が違う」
姿を見せた数人の帝国兵。その中に目立つようにバンガ族が三人程紛れていた。
耳をすませば、なにやら帝国兵と揉めているようだ。しかも会話の中、“バルフレア”の名も耳にする。
「ったく、しつこいヤツらだ」
『お知り合いで?』
「“知り合い”なんて優しいもんじゃねぇよ。こりゃ早いとこ逃げないとマズいか──…、…!」
そんな会話を小声でしていると、ふと、闘技場の出入り口の柵にチラリと人影が。見覚えのある長身だ。
「奥の独居房に抜け道があるわ。ただし──」
「ミストを感じる──か。武器が必要だな」
『動くのか?』
フランが辛うじて開けてくれた柵の下の隙間から脱出する三人。
行動するのか聞けば案の定「あぁ、」、といった返答が返ってくる。
「─そこまでにしておけバッカモナン」
『──!!』
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