ACT.15
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヴァン達のことはすぐに見つけられた。
どうやら里長らしきヴィエラと話していたが、なにやらヴァンはご立腹の様子。一行のもとへ行くフランとアルフィナ。
するとフランの姿を見た里長“ヨーテ”は皮肉った顔を見せる。
「ほう…」
ヨーテの視線の先をヴァン達も見た。
「アル、フラン…」
こちらに歩いてくる2人。
フランがみんなに言った。
「森の声が聞こえたの。この里にミュリンはいないわ」
一行の間を通りすぎ、ヨーテの前に立つ。
「ヨーテ、あの子はどこ?」
「なぜ、尋ねる。あれの行方を告げる森の声。──ヴィエラなら聞き取れるはずだか」
ヨーテの言葉に耐えかねたフランは彼女から無言で視線を外す。
ヨーテはなおも続ける。
「聞こえんのか。鈍ったものだ。ヒュムと交わった報いだな。森を去ったヴィエラは最早ヴィエラではない。森を去ったミュリンもな──」
「だから見捨てようってのか。」
怒気を含んだ声でバルフレアがいう。
「…里の総意だ。ヴィエラは森とあらねばならん。それが森の声であり、我らの掟だ。」
どこか感情を押し殺したヨーテの言葉。
「じゃあそっちは掟守ってろよ。こっちが勝手に助けるなら文句ないだろ。」
思いがけないヴァンの言葉に俯いていたフランが顔を上げた。
するとヨーテがなにかを始める。
彼女を包むように風が吹き、耳を澄ませた。
風が収まると、ヨーテが言った。
「ミュリンは森を去って西に向かい、鉄を纏うヒュムの穴ぐらをさ迷っている───それが森のささやきだ。」
そう告げるとこれ以上話すことはないといわんばかりに、ヨーテは背を向ける。そんな彼女に向かってフランが言った。
「ヴィエラが森の一部だとしても森はヴィエラのすべてではないわ。」
「その言葉50年前も聞いたな。」
背を向けたままのヨーテは結局こちらを見ることなく、宮へと姿を消したのだった。
.