ACT.14
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「ありがとう…。」
『─!』
思いがけない感謝の言葉にアルフィナは目を見開く。
言葉につまる彼女を置いて、アーシェは1人その場去っていく。
「私、あなたのことこれでも結構頼りにしてるのよ。
今回の事、もう少し考えてみるわ。どんな結果になってもあなたがいてくれるのならこれ以上心強いことはないもの。」
『ァ、アーシェ…、』
不意に頬が暑くなる。
あれ、私照れてる?
心の内を読まれていたかのように、今自分が一番欲しかった言葉がまさか彼女の口から聞けるとは思わなかった。
顔を赤くし、ギクシャク視線をさ迷わせていると、アーシェはアルフィナを1人残して今宵の宿泊所へと向かっていったのだった。
『頼りにしてる……か、』
脳内でその言葉を何度も繰り返す。
繰り返す度にニヤニヤが止まらず、頬をつねったり、頭を左右に振ったり。
両手で頬をおおってニヤつく彼女はどう見ても不審者である。
「ずいぶん口元が締まりないな」
『わぁっ!』
「おいおい!よせ、俺を斬る気かっ」
『──…!』
思いっきり気を抜いてたところへ掛けられ声に思わず背中のディフェンダーを抜きそうになった。
声を掛けたのは先ほどアルフィナが探していた人、バルフレアである。
今にも斬りかかりそうな彼女に咄嗟に一歩後ずさる。
『バ、バルフレア…さん、』
「なんでさん付きなんだよ。つうか、いきなり斬りかかるとか物騒なやつだな。」
やらやれと呆れ声で近づいてくるバルフレア。
とたんアルフィナは思い出したように、あたふたし始めた。
『ど、どうしてここにっ』
「どうしてって、お前が俺を探してたんだろ」
『!、…そうでした。』
おそらくバッシュが伝えてくれたのだろう。バルフレアを探していたことを。
それで今度は彼がアルフィナを探していてくれたようで。
「で、俺になにか用か?」
『あ…、う…、その…』
モゴモゴと歯切れの悪いアルフィナ。
普段の彼女とは想像つかない態度であったため、バルフレアは不審に思い心配になった。
「どうした?なにかあったのか。」
『バルフレア…』
ヘーゼルグリーンの目を見つめ返す。
あなたはどこまで優しいのだろう…。
うまく話し出せない私を心配して
不思議と心が落ち着いてきた。
心臓は飛び出そうなくらいドキドキしているが。
『あのね、驚かずに聞いて』
「あぁ」
アルフィナの普段とは違う真面目な声色にバルフレアも聞く姿勢を見せる。
震える声。どうか言葉になって、彼に届いて――。
すぅっと深く深呼吸。
『──…好き。』
あなたが好き──。