ACT.14
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バルフレアに会いたい
その思いを胸に再び仲間のもとへやって来たが、残念ながら先ほどいたはずの彼は姿を消していた。
『バッシュ小父様、バルフレアはどこに?』
「アル?もう酔いは覚めたのか。バルフレアならついさっき席を外した。すぐ戻ると言っていたが…、」
『そうですか…』
意気込んで来たものの、思いの丈をぶちまける相手がおらず、出鼻をくじかれてしまった。
彼に用か、と訪ねるバッシュにアルフィナは生まれて初めてのことをするのだ、と全く意味不明な言葉を残して立ち去ったのだった。
*
『どうしよう…』
しまった。出鼻をくじかれた。
1人呟くもののどうすることも出来ずただ集落をブラブラ。
気づけばそこは最長老様がいた集会所の手前、小川が流れる橋の側までやってきた。
ふと前を見ると川をぼんやりと見つめるアーシェ。
あ、と思わず出た声と土を踏む足音に彼女は振り返る。
「アル?」
『こ、こんばんは』
予想外の鉢合わせについ声がつっかえてしまった。
「みんなのところに居なくていいの?」
『それはアーシェも同じでしょう?バッシュ小父様が心配してる』
「ええ。でも1人で考えたくて…」
そう言ってまたアーシェは小川の方へと視線を戻した。
つられてアルフィナも隣でしばらく景色を眺めることにした。
「あなたなら…、」
『─?』
「──どうする?」
視線はそのままにアーシェが問いかける。
『私は……、』
「どうする事が正しいと思う?」
『………。』
すぐには答えられなかった。
それはもちろんアーシェの気持ちがわかるから。
その反面、友好を訴えることで救われる命がたくさんあることも理解出来る。
復讐と平和の境目をさ迷うアーシェのことを考えてアルフィナは一言一言、思うことを話し出した。
『私はこの2年間、惨めな思いをして生きてた。たくさんのものを奪った帝国を恨みながら…。
いつか見返してやりたいと、ダルマスカ人の意地を見せてやるんだって意気込んで。
でも結局はそんなことしたって過去は変わらないし、自分の人生をさらに惨めに潰してしまうだけだと気づいた。
なら過去のためでなく、未来のために出来ることをしようと思うようになったの…』
「過去ではなく未来のため…」
『帝国との友好を訴えれば戦争のこともあるし、よく思わない人はもちろんいると思う。だけど、友好を訴えることによって救われる命があるのも事実。
……なんだか難しいね。友好を訴えたって確実に戦争が止められるとも限らないんだし、』
「…そうね。難しいわね。」
そうとうまいっているのだろう。
手すりに乗せていた両腕に頭を乗せ、うつむいたアーシェ。
結局私はアーシェに何が言いたかったのか自分でも分からなくなってしまった。
──ただ、これだけは言える。
『アーシェがどの道を選ぼうとも私は必ず傍にいるからね。』
「アル……、」
『復讐であっても、友好であっても。必ずアーシェについていくから。』
それだけは忘れないで──…。