ACT.14
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ラバナスタを出発して数日が経った。
初めはぎこちなく、手際がよいとはとても言えなかった野宿も様になってきたこの頃。
各々が役割分担を自主的に行い、旅に慣れてきたと自覚してきたアルフィナ達。
そんなある日。
ガリフの里を目前に旅を続ける一行。
今日も今日とて晴天な日和に広がる緑の大地がひときわ美しかった。
そんな一時、アルフィナのかけ声が辺りに響く。
『やぁっ!!』
ザンッ、とかけ声の通り勢いよく薙いだ剣がモンスター・ヴァイパーを沈めた。
『よし!』
(いける!)
体調の良好を実感しつつ、先を進む彼らの後をついて歩いた。
そんなアルフィナの視線は不思議とヴァン、パンネロとじゃれあうバルフレアを捉える。
(楽しそう…)
何故かそう思い、少し寂しく感じた。
いいな、と羨望の気持ちが胸の内から溢れてくる。
その笑みを自分にも向けてほしい。
そのヘーゼルグリーンの瞳に自分を映してほしい、と。
『─!。な、何考えてるだろ私。』
人知れず頭を振りかぶるアルフィナの様子をこっそり見ていたフランがくすっと笑っていたのだった。
『あ、見て!』
声を張り上げたアルフィナ。皆がその先に視線を向けると、以前キーザ草原で見かけた特徴的な仮面をつけた男の人(たぶん)が武器をぶら下げて歩いていた。
「この間の人かしら…?」
そう呟いたアーシェにアルフィナが隣に立つ。
『多分違うと思う。あの時の人とは少し仮面の造りが違うもの。』
「え、そうなの?」
『角の形がちょっと違うわ』
驚いた様子のパンネロにアルフィナはわかりやすく両手の人差し指を立て頭に当てて角のジェスチャーをする。
「ぷっ…」
『─!』
角のジェスチャーをしたまま振り返ると、口元に手を当て、笑いをこらえるバルフレアがいた。
今更ながら、自分がした行動にアルフィナは羞恥心が沸き上がってくる。
『あっ!』
「はっはっ…!」
『~~~~っ!』
笑みを向けてほしいと願ってはいた。笑ってくれた事に対しては嬉しいのだが、その笑いの原因が自分なんだと思うとなんだか素直に喜べない。
嬉しいやら恥ずかしいやらでごちゃごちゃだ。
そんなアルフィナとバルフレアを含む一行をよそに仮面の男は遭遇したヴァイパーと対峙し男が何かをかけると、赤黒く変化した。
『あ、あれは!』
「またかよ。」
これも以前見かけたものだ。
ヴァンのツッコミはほっといて、仮面の男の戦いを傍観する。
「やはり鍛錬のためのようだな」
『頭良いですね。ガリフ族の人は』
そのガリフ族の戦いっぷりに感心するバッシュとアルフィナ。
「以前見かけたガリフ族とは別人のようだな。彼は帯刀していなかったはずだ」
『仮面も少し違うでしょう?』
嬉しそうに話すアルフィナにバッシュは片手だけで先ほどのアルフィナの角ジェスチャーの真似をしてみせる。
「これか?確かにそう言われてみればそうかもな。」
『~~!もう小父様まで!真似しないで下さい!』
からかうバッシュにアルフィナはぷりぷり怒って1人先に進み出したのだった。
「ガリフの里はもうすぐよ」
そう伝えるフランに一行はアルフィナに続いて歩を進めた。
遠くでヴァイパーを倒したガリフ族の男がこちらを見ていた──。
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