ACT.13
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一夜明けて、朝──
「いなくなった!?」
「そうなんです!」
「さっき部屋にいったらもぬけの殻でさ」
隠れ家に向かう途中だったバッシュは珍しく声を上げた。原因は部屋から抜け出したアルフィナ。
朝食にスターフルーツを届けようと訪れたヴァンとパンネロが見たのは、主なき部屋。ついでに壁に立てかけていたディフェンダーもいつもの服も無くなっていたという。
今日はなにやら疲れそうな1日だとバッシュは思った。
「まったく…、体調もまだ癒えてないというのに…」
「アルどこ行っちゃったんだろ」
オロオロと焦るパンネロ。昨日のケンカ(ほぼアルフィナの八つ当たり)もあり、まさかラバナスタを出て行ってしまったのでは、とも不安がよぎるパンネロ。
「こうしちゃいられない。俺、ダラン爺の所へ行ってみるよ!」
「わ、私も一緒に行く!」
「では、私はこのことをバルフレア達に伝えてこよう。」
その後、めぼしい所を探す。とバッシュも献身的に手伝いを申し出る。アーシェには余計な心労は掛けまい、と黙っていることにした。
そこで別れた3人。
不安と焦りが彼らの心に影を落とした。
どうか遠くへ行っていませんようにと願うばかり。
──…、
「アルがいなくなっただと!?」
「あぁ」
スパナ片手に素っ頓狂な声で叫んだ彼。
バッシュがやってきたのは、先日の暴走した破魔石の大爆発により多大な影響を受け、故障してしまった”シュトラール”が収納されているターミナルの格納庫だ。
機械独特の鉄や油の匂いが鼻孔を擽る。
作業を中止してまでバッシュを振り返った彼は信じられないというような表情を見せた。
「念のために伝えておこうと思ってな。」
「いや…、あいつなら…」
実は知っているバルフレア。
だがバッシュにどう言えばいいのか、言葉がすんなりと出てこず。
そんな彼の様子を見、バッシュも“驚いて”るのだとばかり思い。
「これから私も探しに行く。何か心当たりはないか?」
と、まったく気づく気配なし。変な所で鈍感なやつだとバルフレアは後に思った。
「あいつならついさっき、フラン連れてギーザ草原へ出てったぜ?」
「!、本当か!?それなら何故止めない!彼女はまだ体調が…」
気合いを入れてさぁ探そうか、という刹那。あっさりと行き先がわかってしまい、なんだか拍子抜け。
その反応に少し申し訳無さそうに彼は事の顛末を話した。
「あいつがもう大丈夫だっつうから、フランに鈍った体鍛えたいから付き合ってほしいって、出てったんだ。」
俺はてっきり将軍やヴァン達に伝えてるんだとばかり…
「まさか黙って出てきてたとは…、知ってたら止めただろうが…」
「あ、いやすまない。行き先だけでも分かれば充分助かる。邪魔をした」
そう言い残し、バッシュは颯爽と格納庫を後にする。
今になって冷静に考えれば彼女に起きた秘密は自分しか知らないのだ。
昨日、身体に破魔石を埋め込まれた、と泣き叫んだ彼女の様子を思い出す度に胸が締め付けられる。
守ってやれなかった、と。辛い思いばかりさせている気がするのだ。
自分と関わったことで。
そんなことをぐるぐると考えてしまう。
「無事だといいが…」
しかし──、そんな彼の心配を一瞬で霧となって消えていってしまうような場面をバッシュは目の当たりする。
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