ACT.12
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──…、
「帝国の艦隊を消し飛ばしたのは“暁の断片”なのだな」
「察しがいいな」
バッシュの言葉にバルフレアが機嫌よく返した。
反対にバッシュの表情はどこか沈んでいた。
「あの桁違いの破壊力、心当たりがある。アーシェ様もご存知の筈です」
「ナブディス──」
アーシェは静かに答えた。頷くバッシュ。
「旧ナブラディア王国の都──ラスラ様の故郷だ。
先の戦争中、帝国軍が突入した直後、原因不明の大爆発に敵味方もろとも──。あの国にもレイスウォール王の遺産の一つ“夜光の砕片”が伝わっていた。」
「破魔石──か。やつらが夢中になるわけだ」
とバルフレアは呟く。
まったくいやになるぜ…と。
その時…
『リヴァイアサンを消し飛ばしたのは…私です』
──!?
耳を疑った。いろんな意味で。本当なら彼女はまだ眠っているはずだ。だが振り返ると確かにアルフィナがそこにいた…。
「アル!」
真っ先にアーシェは立ち上がる。壁伝いに歩いてきたアルフィナの足取りは覚束ないものであった。
ほっとけば倒れてしまいそうな彼女を近くにいたバッシュが支え、アーシェの隣に座らせた。その際に「ありがとう…ございます」、と言うのも忘れずに。
「今の話は…本当なのか?君がリヴァイアサンを消し飛ばした、と…」
自分に集まってくる視線に居たたまれなくなって、目線を少し下に向けたまま『はい』、と答える。
下を向いていたので皆の表情は見えなかったが、きっと驚愕の色を見せているであろう。それがなんだか怖くて見ることが出来なかった。
『私が破魔石を暴走させました。ギースは私を使って実験をしようとしたんです。その辺りはあまり記憶に残っていないけれど…』
「実験…?」
アーシェがそう聞き返す。私はアーシェの目を見ることなく、頷くだけ。
『人造破魔石を使った実験…。ギースは私に人造破魔石を近付けた。その後どうなったか覚えてないの。痛みと苦しみに叫ふだけ。…、ただ…』
と、アルフィナはそこで一区切りし、深く深呼吸をする。
『…ただ…なにもかもが憎くなった…。』
「……。」
『泣き叫ぶ私を見て笑うギースも、ギースに逆らえない研究員達も…。
本当の事を隠し、王家に仕えていた先祖の事も…それを知らずに生きていた父も…そして自分も…。』
何もかも 全て消えろと願う程に──。
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