ACT.12
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脱出に成功した一行。
再びアーシェの手に戻った暁の断片を眺めながら、ラバナスタに帰ってきた──。
「彼女を休ませないと…」
そう言ったバッシュ。その横をアーシェが力なく通り過ぎていく。
「どうしたんだよ、あいつ」
「今は1人にしてあげようよ」
悲しみが漂うアーシェの背中を見守りながら、一行は隠れ家へと足を運んだ。
──…、
バザーが行われている通りの奥にひっそりと佇む一件の家。今はもう使われていない、というヴァンとパンネロの情報によりその家を借りアルフィナを休ませることに。
体温の低下はもう見られなかったが、未だに上がる様子も見られない。
「急激に体内のミストを失ったせいよ」
「それって魔法を使い過ぎると死んじゃうってこと?」
アルフィナの看病をしていたパンネロが振り向きフランは頷く。
「今のアルフィナの状態はそれに近い」
「じゃぁどうすればいいんだよ?」
「とにかく休ませる。医術師も薬も必要ないが、回復は遅いだろう」
ヴァンの質問にはバルフレアが答えた。
「当分は目を覚まさないだろう。将軍達のいる部屋に戻るぞ。話し合わなきゃならんこともある」
「アルは?」
「…すぐに終わる」
後ろ髪を引かれながらヴァンとパンネロを部屋から追い出した。その後をフランが続く。最後に部屋を出るバルフレアはドアを閉める間際、チラッとベッドに横たわるアルフィナを見、パタンと閉めた。
ドアを閉めた音がした瞬間、眠っていたはずのアルフィナの目がすっ…と開いた。
『………。』
感覚が鈍っているのか、なにも感じなかった。体の痛みも、寒さも。
ただ、指一本動かすだけで異常に疲れた。これではまともに起き上がれない。頭の中ではずっとギースの言葉が繰り返されていた。
“その身には憎き血が流れている…
帝国の血…
ソリドール家の血だ…”
『…ソリドール家の…血…』
出た声はかすれていた。喉が張り裂けるほどに叫んだのだから、当然と言えば当然か。
するとアルフィナはベッドから出ようともぞもぞと動き出した。
『……っ』
動くのが億劫なほど気だるい身体。気を抜いたら足元から身崩れ落ちそうになる。
それでもアルフィナは奮い立たせベッドから立ち上がる。向かう先は、ヴァン達が眉間に皺寄せて話し合っているだろう部屋だ。
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