ACT.11
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頭のどこかで思い浮かんだ人。何故バルフレアなのかは自分でもわからなかった。…ただ…会いたい、とそう思った…。
「大丈夫かっ」
『…っ、うぅ゙…』
ミストが吹き荒れる中、バルフレアはアルフィナに近寄ろうと歩み寄った。だが、それを吹き荒れるミストが邪魔をする。
そしてアルフィナ本人も…
『うぅ…っ、はあああ!!!』
「…っ俺だ!」
なかなか前に進めない。
縮まらない彼女との距離がもどかしい。
アルフィナ自身も側に来ることを拒んでいるようだった。近寄るな、と流す涙がそう訴えているようで。
それでもバルフレアは諦めず少しずつ距離を縮めていった。無我夢中で…。何故こんなにも必死になるのか。
以前なら分からない、気にしないとひとまとめにしていたが…
「今、行くっ」
だが今なら少し理解出来る。
…俺は…、
俺は…っ
「もう…大丈夫、だ」
『……っ』
流れる涙はきっと恐怖故に流していたのだろう。
アルフィナの元にやってきたバルフレアは、そっと彼女を抱き寄せた…。
抱き締められ、顔が彼の胸元辺りに触れひどく懐かしい香りが鼻をくすぐった。
見開いた目。一瞬にして涙は止まる。
…あぁ、これは夢?
夢でもいい…。
助けに来てくれた…。
物語の王子様みたいに
アルフィナはそっと目蓋を閉じた。彼の温もりを全身で感じたくて…。
『バル、フレア…』
「あぁ、俺だ。もう大丈夫だ、脱出するぞ」
帰れる。みんなの所へ…、
ヴァン、
パンネロ、
アーシェ、
バッシュ小父様、
フラン…、
バルフレア…、
私は…
そこを最後にアルフィナはついに気を失ったのだった。崩れ落ちる体をバルフレアが支え、横抱きにかかえる。その時、非常事態に気付いた。
「体が…冷たい。どんどん冷えてく。くそ!あの野郎っ」
一瞬で脳裏にギースの悪人面が浮かんだ。
氷のように冷たくなっていくアルフィナの体。非常にマズい。このままでは…っ
最悪の予想をしてしまった自分を責めた。
アルフィナを慎重に抱きかかえ、バルフレアはヴァン達が待つ脱出艇へと向かったのだった──。
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