ACT.11
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そんな彼らにギースが口を挟んだ。
「アズラス将軍は賢明な取引を選ばれたのですよ。我が国は“暁の断片”と“ある人物”と引き換えに、アーシェ殿下の即位とダルマスカ王国の復活を認めます。
いかがです?たかが石ころ一つ、人1人で滅びた国がよみがえるのです。」
ギースの言葉にアルフィナ達は眉を歪める。
アーシェは依然と立ち尽くしたまま。
そんな時、バッシュが「ある人物とは誰だ?」とギースに問うた。
ギースは不気味に微笑む。
「それは今にわかるでしょう…」
焦らす言い方がまた腹が立つ。
焦りに感情が支配されている時、ふとギースはアルフィナを見て、また不気味に微笑んたのだ。
アルフィナは瞬時に鳥肌が立った。
「で、あんたの飼い主が面倒見てくださるわけだ」
皮肉ったバルフレアのセリフにギースは穏やかだった表情を変え、声のトーンを下げた。
「彼をダルマスカの民とお考えなさい、殿下。
殿下が迷えば迷うほど──
民が犠牲になる」
ギースはバルフレアの喉元に剣先を向けた。ギラリと鈍く光るそれは確実に彼を捕らえている。
「彼が最初の犠牲者だ」
「回りくどい野郎だな、えぇ?」
バルフレアは首に触れそうな剣先にも全く動じず、逆にギースを逆撫でする発言を放つ。
『やめろ!』
「─!?」
その声と共に剣先を遮るかのようにアルフィナがバルフレアの前へと躍り出た。
『彼は関係ない!フランも、ヴァンとパンネロも!関係ない人達を巻き込むのはやめて!』
腕を振り払ってギースに訴える。だが彼はそれすら嘲笑うかのように、鼻をならした。
「ふっ…。ならば貴殿が最初の犠牲者になるか?」
『他のみんなに手を出さないと言うのなら…、…それでもかまわない。』
「っおい!バカを言うな」
『だって…っ』
本当にやりかねない彼女だからこそバルフレアは柄にもなく焦ってしまう。ついアルフィナの肩を引いてギースから遠ざけた。
ギースは口元を緩めると、剣先を下ろす。
「ご安心なされよ。貴殿には手を出さぬさ、…今はな。」
意味深なギースのセリフにその時は理解出来なかった。
しかし、このまま暁の断片を渡さなければ、この場の打開策は見いだせない。そう悟ったアーシェは悔しそうにギースに破魔石を渡したのだった。
嬉しそうに破魔石を見つめるギース。無意識にこんな言葉を零した。
「王家の証が神授の破魔石だったとは。ドクター・シドが血眼になるわけですな」
…と。