ACT.02
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いつもは滅多に行かないダウンタウンの南部。
その一角に物知りで有名なダラン爺の家があり、その前にはいつも人が集まっていた。
みんながダラン爺の話を訊いたり、相談したり。
意外にダウンタウンに住まう人達の心の支えでもある存在の彼(…という歳でもないが。)
王宮に忍び込むつもりなら、必ずヴァンはここに顔を出してるハズだ
そう考えた■■、…今まさにそのダラン爺の家の前にいる。
『ダラン爺っ、』
「おぉ。久しい客じゃのお。元気にしとったか」
『この通り元気だよ。…、ってそんな話しにきたんじゃなくてっ!』
危うく流される所だった。相変わらず恐ろしい老人だ。飼い猫を膝に乗せ頭を撫でながら「ほっほ」、と笑うダラン爺。
『ヴァンここに来なかった?もう夜中なのに家に帰って来ないんだ。ダラン爺何か知らない?』
「ふむ…。今頃あやつは“王宮”じゃろうて。」
『そうか…。…、…はぁ!!?』
もう王宮!?間に合わないじゃん!!
『そもそもどうやって王宮にいったんだ!?抜け道なんてっ、』
「なに、水路の道を教えてやったのじゃ。」
『ダラン爺~~っ!!』
なんでそんなに呑気なんだぁー!!
頭を抱えて一人悶絶。
こうしちゃいられない!今から走ればまだ間に合うかもしれない!!…、…多分…。
『もー!!ダラン爺の人でなし!なんで止めてくんないのっ!』
見損なったぞ、と捨て台詞をはいて、急ぎカイツを探しにダラン爺宅を飛び出す■■。
その後姿を見て相変わらずなダラン爺の呑気な笑い声が私の耳に届いた。
いつかギャフン!と言わせてやる!!(絶対無理)
──…、
再びダウンタウンを駆け回る。さっきから走ってばっかだっ!
『いたっ、カイツ!!』
「?、あ、■■姉ちゃん!」
呼ばれてくるりと振り返ったヴァンの弟分、カイツ。
カイツはよく鍵のかかった水路の扉を開け閉めしているため、今回もヴァンを手伝ったに違いない。
「何か用?」、とものすごい勢いと気迫(…)で全力疾走してくる■■に若干引きつつも、歩みを止めてくれた。
『カイツ水路の鍵開けただろっ!?』
「え!?な、なんで知ってんの!?誰にも言ってないのにっ」
バレバレだ。私を相手に白を切ろうなんて百年早いぜコノヤロー。
『ヴァン水路に入っていったんだな!?』
「う、うん…。今日はやっと左側の扉を開けれたからヴァン兄はそこから…、」
なんてこった!!水路に入ってから何時間も経ってるらしいではないかっ!!
『あのバカっ。こっちの気も知らないで…!』
「……。」
『……、…なに。』
生きて帰ってきたらシメてやる!等と考えていると、カイツがじっ…と■■の顔を見つめてくる。
「…■■姉ちゃん、なんだかんだ言ってヴァン兄と仲良いよね!」
──ガツンッ!…、
「~~~っ!!、な、殴る事ないじゃ~ん…。」
『滅多なこと言うカイツが悪い。』
これではどっちが“ガキ”なんだか。いてて、と殴られた(しかもグーで)頭をさするカイツを尻目に、「早く帰って寝ろっ」、と言い残すと、■■は再び駆け出した。
目的地は水路の扉がある倉庫。日頃、ヴァンとカイツが頭を寄せ合いコソコソしている怪しい場所だ。
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