盲目の錬金術師
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『ハンベルガング家…?』
「えぇ、その街じゃ有名な名家らしいわ。」
イーストシティ。
街中のとある空き家。
真っ黒いドレスに身を包む妖艶な女性と会話をしてるのは国家錬金術師の資格を持つ人物。
名をサヤ・グレイス。
空き家の窓から外を覗いていた視線を中へと移す。振り返った時コツンと鈍くショートブーツの音が鳴った。
『その家に錬金術師がいるのか。』
「まだ噂でしか情報は掴んでいないのだけれど、人体錬成を成功させたと…、」
『人体錬成…、』
「本当かどうかあなたに確かめてきてほしいの。私はリオールで手一杯だし…、」
『もし本当なら“人柱”に?』
「それだけの力量があればね。それはあなたが見極めてちょうだい。」
ふふっ…妖しい笑みを浮かべる女性にサヤはコクンと小さく頷いた。
『わかった…“ラスト”。』
*
イーストシティ駅
多くの人で賑わう駅。
ごった返す人の間を縫うように進む。
駅の受付にて行き先の切符を買った時、トントンと小さく誰かが肩を叩いた。
『?』
「久しぶりサヤっ」
『アルフォンス!…と、』
「……。」
『…エドワード。』
兄貴に対してだけすごい不満そうな顔をして見せたサヤにアルフォンスは苦笑いする。
出発までまだ時間はある。
3人は一度駅を出た。
『久しぶり。いつ戻ってきたんだ?』
「ついさっきだよ。サヤは…どこかへ出かけるの?」
手元の切符の入った封筒を見せた。
『あぁ、これ?そう、一応任務…かな?』
「どこいくんだよ。」
とエドワード。
『えっと…、ここより東のすこし外れたところに位置する街で、そこまで大きくはない街なんだけどハンベルガング家という家があってそこをちょっと調べに。』
変に隠す方が怪しまれると思い、話せる範囲でサヤはエドワードとアルフォンスに話した。
場所を変え…、
「人体錬成に成功したぁ!?」
ぶはぁとたっぷりの生クリームがアルフォンスの鎧の顔に飛び散った。
腹が減ったとエドワードの要望でカフェに来た3人。テラス席で4つ目のパフェを平らげていたエドワードがサヤから聞かされた衝撃の話に食らいつく。
サヤが話す隣でアルフォンスはいやそうにエドワードから吹き付けられたたっぷりの生クリームを拭いた。
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