第31話
夢小説設定
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「すまない…、」
『ううん。ありがとう、…心配、してくれたんでしょう?』
「……。」
泣いた顔などはじめて見たので余計に心配になったのだろう。しかしずいぶん見ない間に表情が豊かになったと思う。
そらした顔をもう一度サヤに向ける。
『何?』
「いや…、なんでもない。」
こともないのだが。表情が明るくなったなんていえば自分らしくないと思い、調子が狂ってしまいそうで。
『ホーエンハイムさんの話は終わった?』
「あぁ。だいたいは理解した。…信じられんような話ではあったが…。」
だよねー、とサヤもつい苦笑い。
そろそろ作戦実行の時間が迫ってきている。
みんなのところへ行こうとサヤが促すと、スカーはなにか言いたそうな顔をして見せる。
「……、」
『スカー、?』
こちらをじっと見つめる彼に、サヤは首をかしげた。
長い沈黙の後、ようやく言いたいことがまとまったのかサヤ…、と口を開いた。
『何?』
「…、…ここに残れ、といったら怒るか。」
『!、…、』
それは思ってもいなかった言葉だった。
自分も戦いに参加するつもりではあったし、みんなもそう思っていてくれてるだろう、と。
まさか不参加を提案されるとは思ってもみなかった。
『…、きちんと理由を説明してくれたら怒らないよ。…それを受け入れるかはまた別だけど…。』
「……。」
『理由があるんでしょう…?』
話して、とサヤが言う。
「鋼の錬金術師の父親からいろいろ聞いた。もちろんお前のことも。」
『うん。』
サヤのこと。それはサヤがホムンクルスだということ。
そして、中央にいる”お父様”とやらがそのサヤを何かに利用しようとしていることも。どう利用しようとしているかはまったくわからないのが現状ではあるが。だからこそ、ここに残るよう彼はいったのだ。
「どう利用されるかまったくわからん。ならばここにいたほうが安全だろう。」
『……。』
きちんと理由を話してくれた彼だが、サヤ自身納得はやはり出来ない。利用されるとわかっていてもみんなとともに戦いたいのだ。
『ありがとう…、心配してくれて…。でもやっぱり私、みんなといたい。…スカー、あなたと一緒に戦いたい…。どんなに危険でも。』
「…。」
そんなサヤの覚悟を決めた顔に、説得出来る気なんてそもそも最初からなかったと彼は思う。
ならば自分も覚悟を決めようと、
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