第41話
夢小説設定
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それは一通の手紙から始まった。
サヤがリゼンブールで暮らすようになって2年の月日が経つ少し前。
サヤ宛に届いた一通の手紙。
送り主の名は無く、ただサヤ・グレイスと名が書いてあった封筒。
その中身も、“元気にしているか”の一行のみ。
ただ文字の下の方に“イシュヴァール・カンダ地区”とだけ書かれていた。
なぜかいつもその言葉が気なる。
どうしてだろう。
気づけばペンを取り、返事を書いていた。
そして送った。
すると意外にも返事が返ってきて。
そのやり取りが2、3か月程続いた。
今もまた返事を待っている。ウィンリーには恋人を待ってるようだ、と言われて全身の血が顔に集まる気がした。
まさに茹蛸とはこのことだろう。
『デン見っけ。』
「わんっ!」
見つかるはずないと思っていたのに、まさかサヤにあっさり見つかったデンは降参したのか大人しくシャンプーされについていく。
「くぅーん。」
『文句言ってもダメ。』
とぼとぼと後ろをついてくるデンに思わずくすっと笑う。
ほんとお利口な犬だ。
観念したデンを一時間ほどで洗い終わり水気を拭こうとしたが、身体を震わせ逆にサヤがびしょ濡れになってしまう。
前髪に水が滴る。
『デンー…。』
「わん!」
心なしかデンに笑われたような気がする…。
『もう…びしょ濡れじゃない…。』
「…、…わん!」
『あ、ちょっと!どこいくの!?』
まだちゃんと身体も拭けていないのに、ピクンとなにかに反応したデンはサヤの制止も耳に入らず突然玄関へと駆けていく。
サヤも慌ててデンの後を追いかけた。
『どうしたのかなー。』
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