第41話
夢小説設定
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唐突だった。
何か的を得たような質問だった為、アルはサヤがなにか思い出したかのように思えた。
「なにか思い出したの?」
『ううん。…ただ、ラジオで聞いたイシュヴァールという言葉が気になって…。気のせいかな…、』
「…ボクも実際に行ったことがあるわけじゃないんだけど、ボクが知ってるのはイシュヴァールは岩と砂だらけの土地だって。イシュヴァラ教という戒律の厳しい宗教と屈強な民族・イシュヴァールの民が暮らす所っていうことくらいかな。」
『イシュヴァラ教…』
「イシュヴァラの瞳とも言われている。」
『……。』
ふいに蘇る記憶。
誰なのかわからない姿も顔も見えなくて。
ただ声だけがいつも聞こえてくる。
その言葉に癖でいつも身に着けている首飾りに触れた。
『イシュヴァラの瞳…。』
「なに?」
『あ、ううん。何でもない…。』
頭を振るサヤにアルはそっか。と言ってエドを呼びに外に出ていった。
そろそろかもしれない。
サヤがすべての記憶を取り戻すのは。
そんなことを考えながらアルは兄を探しに行った。
サヤの記憶は大まかなところは思い出している。もちろん12歳の時、シンで起きた一族の事件の記憶もだ。その時が一番大変だった。
覚悟していたことだったが荒れに荒れたものだ。泣き喚くわ、暴れまわるわ、シンに行こうとするわで大騒ぎ。
抑えようとするエドとアルを瞬殺で倒してしまうほどに。あれにはウィンリーも開いた口が塞がらなかった。
般若の如き怒りで一瞬にしてやられた2人は後日、以前に戦ったことのあるスカーよりも強かったんじゃないかと話していたそう。
結局そのあとサヤは一週間部屋に閉じこもったきり出て来なかった。
ただ肝心の一番大事な人の事をまだ思い出せていないまま…。
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