第40話
夢小説設定
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その夜。
ウィンリーと相部屋のサヤは1人部屋に戻った。ウィンリーはまだ機械鎧の仕事を続けている最中だ。
エドの草刈りスパルタ教育?のおかげでくたくたになったサヤはベッドにボフッと身を任せ、再びあの日記を手に取る。
いったい私はどんな気持ちでこの日記を始めたのだろう。
日記を書いた初日はこう書いてあった。
『私が…ホムンクルスになった日…、』
ホムンクルス…。
完全なる人・真人…、と似たようなものだろうか。
シンの錬丹術にはホムンクルスという単語指し示すものは存在しなかった。
おそらくはこの国の錬金術特有のものだろう。
明日エドかアルにでも聞いてみよう。
『他は…、国家資格を取った日、エドとアルに初めて会った日、…エドワードはむかつく奴ってっ』
思わず笑ってしまった。
何書いてんだろう私。
『アルフォンスは礼儀正しくて優しい良い奴だって。』
それは今も変わらない。
初めてリゼンブールに来てウィンリーと会った日の事、ヒューズ夫妻の事、…ヒューズさんという人は亡くなったのか…。
そして、ニーナという幼い少女の事。
楽しい日々を綴った次のページ。
そのページだけやけにしわよっていた。
これは…、
『涙、のあと?泣いてたのかな…私…、』
それは水分で濡れて乾いた跡だ。
そうか…。おそらくこの子も…。
それから、スカーという人の事…。
『スカー…、ってどんな人なんだろう。』
日記にはスラムで彼を治療した時の事を綴っていた。
彼もこの時の私と同じく復讐を果たそうとする者。この者の存在を私は嬉しく思っているようだ。
自分と同じ復讐を誓う人。
この人は復讐を果たせたのだろうか…。
「あれ?まだ起きてたんだ。」
『ウィンリー。お疲れ様。』
パジャマ姿で髪を乾かしながらウィンリーが部屋に戻ってきた。
ウィンリーはサヤの手元にある本に気づく。
「なに読んでるの?」
『日記。アルが持っててくれたの。』
「サヤの?」
『うん。この国に来てからのことをずっと書いてたみたい。』
「全っ然読めない。」
ちらっと覗いたウィンリーは日記に綴られていた文字を見て眉間にしわを寄せる。
『ははっ。シンの言葉だよ。私も久しぶりに見た。』
「サヤってこの国の言葉もわかるのよね?勉強したの?」
『うん。アメストリス語も勉強して覚えた。錬金術も勉強しようとしたけど、あの時はこの国に違和感を感じてたから無理だと思って一度挫折したっけ。』
また学ぼうかな、なんていうサヤにウィンリーは難しい顔をして見せた。
エドみたな錬金術オタクになっちゃダメよ、なんて彼女が言うものだからつい笑ってしまう。
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