第31話
夢小説設定
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時は、戻り。
約束の日、決戦の時───。
昨夜の一戦から夜が明け、消火活動のかいあって火はスラムの手前で鎮火することが出来た。
森の中にあったスラムだったが、プライドのせいで随分と見晴らしが良くなってしまった。
中央から得た情報をもとにこちらを目指していたスカー達がようやくサヤ達がいるカナマへとたどり着く。
それにいち早く気づいたのがダリウスだった。
「お?」
「あ!ダリウス!」
「ジェルソにザンパノ。」
「貴様キンブリーに言われて俺たちを始末しに来たのか!」
お互いの存在にすぐ気づいた。
ジェルソの言葉にダリウスはノコギリ片手に否定するも、その成りでは説得力もなく。
「キンブリーの部下なんざとうにやめてるよ。」
「とか言ってそのノコギリで俺たちを殺す気だろー!」
ギャイギャイ騒ぐそのすぐ隣でマルコーがエドに会っていた。
「マルコー先生!」
「エドワード君。」
「…と、スカー…」
もちろん彼もいる。スカーに会うのも北で別れて以来だ。つい身構えてしまう。…が、それ以上に隣から聞こえる言い合いが気になり。
「うっさいなぁ。ブタもデブもゴリもケンカすんなよ。」
[[[てめぇケンカ売ってんのか!]]]
その一言に3人にこってりしぼられたエドはさておき。
ひと悶着後、エドはスカーやマルコーさんも含めて作戦会議をする為にホーエンハイムの元へ案内した。そこではサヤも待っていて。
『マルコーさん!』
「サヤちゃん、元気そうでなにより」
『マルコーさんも。よかった無事で。スカーも』
「あぁ。戻った。」
ホーエンハイムとともにいたサヤもようやくスカーとマルコーに再会する。
本当は会ったら話したいことがたくさんあったのだが、なぜかその言葉しか出て来なくて。
言葉が出てこない代わりについじっとスカーを見つめてしまう。するとあまりにも見つめすぎたのか、パチと彼と目線が合う。
『…、また後で。先にホーエンハイムさんの話を聞いてあげて欲しい。』
すこし控えめにスカーに言うと彼は小さく頷いた。
安堵したサヤはジェルソ達を探す。
『2人にお礼を言わないと』
「あいつらなら向こうにいるぜ」
エドがすこし離れたところでダリウス、ハインケルと話している2人を指す。
2人はずっとリオールでスカー達と合流するのを待っててくれたのだ。
『ジェルソ、ザンパノっ』
「お嬢っ」
もう一組のキメラ組─ハインケル達と意気投合していた2人に声を掛ける。
『2人ともありがとう。頼みを聞いてくれて』
「おう。かなり健康的な日々だったぜ」
『ほんとっ。ジェルソちょっと痩せた?』
お腹周りが。と視線をちょっと落とす。
だろ?と得意げに笑う彼に、釣られて笑うサヤに心が癒されるおっさん達だった。
「日陰者にはなったが気分はいいな」
「たしかに」
晴れやかな表情をするハインケル達にその言葉が偽りないものだと分かった。
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