第40話
夢小説設定
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緩やかな坂道を上る。
次第に見えてくる丘の上に建つ一軒の家。
昔から何一つ変わらない。…変わったのは自分達か。
疲労困憊の身体に鞭打ってようやく丘の上の家にたどり着いた時、玄関で昼寝をしていた犬が目を覚ます。
犬はやってきた3人に首を傾げた。
「デン!ボクだよ!」
「!」
呼ぶ声と匂いでピンと来たのか、わんわんとお出迎えするデンの声が響き渡る。
その声はもちろん家の中にいた人物にまで届いていて。
「…お客さんかな…。」
その人物がドアノブに手を伸ばした時――…、
「ちょ…っ、あぶないあぶないっ」
「ははっ」
「――…、」
まさか…。と伸ばした手が一瞬躊躇した。
あれから一向に連絡もなくて。無事なのかどうかもわからなく。ただひたすら帰って来る事を願って待ち続ける日々。
それが…、
ギィ…、と恐る恐るドアを開ける。
眩しさに一瞬目がくらんだが、そのあとすぐに目に飛び込んできたのが…。
「おうウィンリー。」
「ただいま。」
「……。」
金髪の2人の兄弟。そして私の大事な友人。
『……?』
そう。いつも彼らの帰宅は突然なのだ。
だから先に口から出たのは、
「もう!帰って来る時は電話の一本でも入れろって何度…、何度…っ」
涙が、溢れた。
その先のセリフが言えなくなるほどに。
悲しい涙は流さない。次に泣くときは嬉し泣きだと。それまで絶対泣かないと約束したかわりに、たくさん我慢した涙がここぞとばかりに流れていく。
ウィンリーは飛び出し、エドとアルに飛びついた。あまりの勢いに2人は後ろに倒れこんでしまう。
その様子をサヤは1人微笑んで見ていた。
「おかえりなさい。」
彼らの長い旅が終わりを告げた。
エドとアル、2人で元の身体に戻って帰って来る、と。
いつかこんな日が来るなんてあの時は想像もつかなかった。
ただひたすら諦めずに進むことしか考えていなかったから。
『ウィンリー、?』
「サヤもおかえりっ。無事で良かったわ。心配したのよ?」
『あ、ありがとう…。』
「…?サヤ?」
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