第38話
夢小説設定
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ドガガッ!
《う…、お…、がぁッ!》
「効いてる…」
「効いてるっ、効いてるぞ!」
「いける…」
その場にいる誰もが確信した。
勝てる、と。
ホムンクルスをどんどん追い詰めていくエド。
こちらの攻撃がすべてやつにあたり反撃のする間もなく畳みかけていく。
「行けー!小僧ー!」
「やったれチビ助!」
とダリウスとジェルソ。
「エドワード君!」
「エドワード・エルリック!」
「エド!」
ホークアイ中尉にアームストロング少佐、イズミ先生。
「エドワードさン!」
「エドワード…ッ」
メイにホーエンハイム。
みんなが彼を応援した。
みんなが願った。
倒してくれと。この国を救ってくれと。
「…行ケッ」
「鋼の!」
ランファン、そしてマスタング大佐。
彼らの想いの籠ったエドの一撃がホムンクルスの身体を貫いた。
《お…、おぉ…ッ、この、私が…ッ》
「クセルクセスの人達の魂を開放しろ!」
《なぜ…、この私が…ッ》
「そして生まれた場所へ帰れ。フラスコの中の小人“ホムンクルス”っ。」
ホムンクルスの身体の穴の開いた場所から黒い手が伸びてくる。それはやつの身体をどんどん引きずり込んでいく。
バキバキと骨が折れる音が響き、やがてそれは小さくなりそして、…消えた。
文字通り消えたのだ。跡形もなく。
ただ崩壊したこの広場だけを残して…。
まるでいつもの日常と変わらない時間だけが流れているよう。
終わった…。
すべてが終わったのだ…。
「なんだ、どうなった…。勝ったのか…?」
「はい。ですが彼女が…」
「…?」
目が見えないマスタング大佐がホークアイ中尉に状況説明を求めるも何から話せば良いのか。
結果的に言えば自分達が勝った。
アルフォンスも身体を取り戻していた。
…だがその代償がサヤだった。
錬成陣の中で倒れている二人に駆け寄るエド。
「アル…っ!アルフォンス!」
「サヤ姉様!」
エドとメイが必死で2人に呼びかける。
だが目を覚ましたのは…、
「に、いさん…?」
「アル!」
「アルフォンス様!よかっタ…!サヤ姉様ハっ、どうなったのですカ!?」
「そう、だっ、兄さん早くサヤを助けに行ってっ。」
「どういうことだっ。あいつは何を犠牲にしてお前を呼び戻したんだっ」
「記憶を…っ、」
その言葉にエドは息を飲んだ。
あいつは記憶を対価にアルの身体をこの世界に呼び戻したっていうのか…。
「なんで、そこまでして俺達を…っ」
「サヤが言ってた。兄さんが必ず来るのを信じてるって。」
「サヤ…」
「自分は僕達の為に犠牲になったんじゃない。今出来ることをしたまでだって」
「サヤ姉様…っ」
「エド!」
「リン、か?」
「ここに賢者の石があル。俺からも頼ム。サヤを取り戻してくレッ」
親であるホムンクルスが消滅したことによってリンの中にいたグリードもどうやら一緒に消滅してしまったらしい。
不本意ではあったがグリードは最後にもう十分だ、と満足した様子でリンと別れたのだった。
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