第38話
夢小説設定
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「やっぱりダメだ。君にそんなことさせられないっ」
『アル…。聞いて。私は2人の為に犠牲になるんじゃない。』
2人が身体を無くしたのは2人のせいだ。
それに私が口をはさむのはお門違いだということもわかっている。
だが力になれることもあるはずだ。
それに…、
『私はエドを信じる。向こうに戻ったらエドに伝えて。待ってる、と。私は必ずエドが来ると信じている。』
「サヤ…」
きっとエドがここへ来るときには私は記憶を無くし、彼の事も忘れているだろう。
だから今伝えてほしいことをすべてアルに託す。
それから伝えてほしい人がもう1人。
サヤは持っていた手帳の紙切れに何かを書き込みそれをアルに渡した。
『スカーをアームストロング少将に任せてる。それを彼に渡して欲しい。』
「スカーに?」
サヤは静かに頷く。
『この戦いが終わったら一緒にイシュヴァールへ行く約束をしたんだ。だがその記憶も失われる。だけど私は必ずイシュヴァールへ行く。』
手紙にはそう簡単に記してある。
「わかった。必ず渡すよ。」
【話は終わったか。】
『えぇ。』
【では行け。もとの世界に。サヤ・グレイスの肉体は向こうの世界へ戻るが精神はここに留まり続けることになる。それを取り戻すまで決して目覚めることはない。】
『…わかった。』
バラバラ…、とアルの身体が分解されていく。
元の世界に戻れるのだ。
だがサヤの精神はここに留まり続けたまま。
「サヤっ!ありが…っ」
『アル…っ!』
パラ…、と分解されたアルの身体の破片がすべて消えた。
シン…っと静まり返る空間。
いつの間にか真理もいなくなっていた。
1人ぽつんと残されたサヤ。
『アル、エド…っ。頑張って。信じてるから。』
そして、スカー…。
ごめんなさい。必ず戻ると言ったけれど少し待たせてしまう。
でも必ず行くから…。
あなたのもとへ…――。
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