第37話
夢小説設定
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『まだ戦いは終わってないんだ。行かないとっ』
「己れも行こうっ、…っ」
『その身体では無理だっ。傷は塞いでも失った血が戻ったわけじゃないし、無茶をすればまた開く。あなたはもう休んでいて。』
「く…、しかし…」
『大丈夫…。必ず勝つから…。信じて。』
「……、」
『ラースを倒してくれてありがとう。おかげで助かった…。』
彼の手を取り、自身の両手を握りしめた。
再び地上を目指してその場を立ち去ろうとするサヤをスカーは離れていくその手を咄嗟に掴んで引き留める。
『――!、スカー…、』
「約束を、忘れるな…。」
死ぬな――…。
カナマのスラムでした約束。不安そうにいう彼の言葉が頭の中で囁かれる。
はっとするがサヤはすぐ力強く頷いてみせた。
『!…、わかってる。シンの人間は必ず盟約を守る。必ず戻るから…。そしたら一緒にイシュヴァールへ行こうっ』
「…あぁ。」
掴まれた手に自分の手を重ね、そっと腕を離す。
名残惜しいがその気持ちを振り払って、地上目掛けてもう一度錬成陣を作る。
すると今度は下からグリードが追い付いた。
『グリードっ』
「まだこんなとこいたのかっ…ん?」
「若っ」
「ランファンかっ。お前、こんなところまで…っ」
暗闇からランファンが現れた。
ずっとグリードを探していたのだろう。
すると突然地面が激しく揺れた。
上から瓦礫が崩れ落ちてくる。
ガガガガ――ッ!
『なんだっ!』
「あいつだ。…やりやがったなっ。」
「グリード!」
『あ!アームストロング少佐!』
「む。サヤ殿、無事か!」
さらに下の階からダリウスやホークアイ中尉、マスタング大佐やほかにも大勢が少佐の錬金術で錬成した台に乗って上がってきた。
「おい!俺も乗せてけ!状況がわかってるやつが必要だろ!」
「状況って…、上ではなにが起こってるんだ!?」
とダリウス。
『地上でホムンクルスの親玉が暴れているっ。』
「こっから先は戦えねぇ奴は置いていけ!オラそこのカエルと女2人…!」
「なんだと…!?」
女2人、と指さしたのはホークアイ中尉ともう1人はアームストロング少将。
少佐の実の姉だそうだ。
エドから少し聞いてはいたが、確かに似てないなと思った。
「私が隊を指揮せんでどうする!」
「知ったことか!とっとと降りろ!」
グリードのそういうところは相変わらずのようだ。女と戦うのも、戦わせるのすきではないらしい。
お互い譲らずなおも言い合う2人だがブリッグズの兵士達に任せてください、と言われてしまってはそれ以上我を通すわけにもいかず。
「アレックス!通信機を持っていけ。――必ず勝て。」
「言われずともっ。」
弟のアームストロング少佐に後を託す。
「よし行くぞ!」
『マスタング大佐!目が…っ』
「心配ない。そのために中尉がいる。」
『でも…、中尉、傷は平気なんですか?』
「大丈夫よ、前線に出るわけじゃなから。私は私にしかできないことをするわ。」
『わかりました…。』
「行くゾ。」
「おう。早く行こうぜっ。」
「おまえら…っ」
なぜかランファンもダリウスもジェルソも行く気まんまん。思わずグリードも呆れる。
まさか生身の人間である彼らもついてくるとは思ってなかったのだろう。しかし言い合っている時間もない。
結局グリードが折れて、少将とイズミの夫、そしてスカー以外は全員戦いの場へ赴くことになった。
『あの、アームストロング少将…、』
「なんだ。」
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