第37話
夢小説設定
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ミサイルや火炎放射器とは違う、レーザー砲のような一撃がホムンクルスを襲う。それは錬成した槍や突起防ぐのとでは威力が違うようでホムンクルスは少し力んだ表情をして見せた。
「んな…、じゃそりゃ!?」
「この前と全然パワーが違う!」
驚くエドと、前にも見たことがあるアルも以前とケタ違いのエネルギーに動揺する。
『ふぅー…っ、』
「!、…もしかして賢者の石の力を上乗せしてるんじゃ…っ」
『もう一発…っ』
生身の身体では連発は出来なかったのだが、自分の体内にある賢者の石を使うことでそれが可能となる。たった一発撃つだけでもかなりの疲労がかかるのだがさすが賢者の石。連射可能なエネルギーが一瞬で溜まる。
だがアルとメイは心配でならなかった。
メイがあれは寿命を縮める技だと言っていたからだ。
『う…っ!』
「サヤ…っ!」
2発目を打つも最初の時とは威力が劣る。
やはりこの技は反動が大きいようだ。
だが威力のある一撃を防いだことによってかなりの石の力を消費したのか、ホムンクルスはこちらへの攻撃の手を止め、ふと上を見上げるとノーモーションで足場を錬成し地上を目指してエド達から逃げていく。
『あ…っ!』
「…んなっ―、」
「奴め、賢者の石を調達しに行ったなっ!」
『地上にはたくさんの兵がいる!みんな石にされてしまうっ』
一瞬で地上に到達したホムンクルスを追ってホーエンハイム、サヤが後を追う。
「追うよ!」
「はい!」
「ついでにあんたを安全な所へ。」
「すまない。肝心な時に役に立たんとは…、情けないっ。」
打ちひしがれるマスタング大佐をイズミが気遣う。
「なに。そういう時もあるさ。行くよっ」
「兄さん!」
アルがメイと一緒にエドも地上へ上がろうと声をかけたが、どうやらプライドが彼に用があるらしく。
得意の影でエドの身体を捕えていた。
「先に行け!こいつはオレに用があるらしいっ」
「兄さんっ」
「行くよアル!あいつを止めないとっ。負けるんじゃないよエド!」
「はい!」
師匠であるイズミの声に気合が入る。
エド1人を地下に残し、アル達も地上へと上がっていった。
*
一方、一足先に地上を目指すサヤ。
さらに先に地上を目指すホーエンハイムの後を追うように上がっていく。
地上が遠い。ホムンクルスやホーエンハイムのように無限に術が発動出来ないサヤにとって2人に追いつくにはやはり限界があった。
すると2つ階を上がったところで誰かに名を呼ばれる。
「――サヤっ!」
『?…、あ!』
名を呼んだ人物を視界に入れた時サヤは錬成をやめ、その場から一気に飛び降りた。
『――スカーっ、』
「どこも怪我はしていないか。」
『わ、私はなんともない。それよりも自分の心配をっ』
自身の置かれている状況よりも先にサヤの身を案じる彼に、サヤは悲痛に顔を歪めた。
スカーの怪我があまりにもひどかったからだ。
「…っ、」
立ち上がろうとする彼を慌てて制止させた。
サヤの目に満身創痍のスカーが映る。
いたるところから出血し、顔色もかなり悪い。
なのに彼は私の心配をするので思わず泣きそうになる。
突然の再会に離れていた不安が一気にこみ上げてきて目頭がじわっと熱くなった。
あんな別れ方をしたのだから仕方ないのかもしれないが。
ラースを倒してなんて無茶なお願いをしてしまったと申し訳なくなる。
『ひどい怪我…。今傷を塞ぐからじっとしていて。』
「すまない。」
一歩も動けない様子のスカー。
脇腹の傷が一番致命傷のようで手で押さえなんとか出血を止めようとしていた。
彼の周りにをクナイ打ち込み、手元で出血して流れた血を借りて地面にも五芒星の陣を描きクナイを打ち込む。
バチィと錬成反応が起きるとあっという間に出血が止まり傷が塞がった。
どうやら危機は脱したようだ。ふぅ…、と息をつくスカー。
ゆっくり話をしたい所だがまだ戦いは終わっていない。
すぐさま立ち上がるサヤをスカーが見上げる。
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