第36話
夢小説設定
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漆黒の髪。
漆黒のコート。
それが彼女の特徴だ。
否、…特徴だった…。
その眼だけは黄金の瞳をしていた。
なんて冷たい目…。
それが今、目の前にいる人物が自分の知る人でないことを物語っている。
「“器”ってそういうことか…っ」
なんてことだ…。とホーエンハイム。
「サヤ…、か…?」
『この体の持ち主か…?死んだ。この器はすでに私のものだ。さすが賢者の石を取り込んだだけの事はあるな。私によく馴染む。』
声も、姿もサヤなのに。
話す言葉はまったく別人で。
いつもの席に座り、こちらを見下ろしている。
ドクン、ドクン…
「姉様の体を器にアメストリス国民を賢者の石にしテ…、神を抑え込むのに使っている…ですっテ…?」
「いったい何人犠牲にしたんだい…」
「この国の人口は約五千万人だ…」
「ご…」
五千万人分の賢者の石のエネルギーが今、サヤの体の中で“お父様”が支配している。
けた外れの数字に声も出ない。
『ご苦労人柱諸君。お前達の役目は終わった。』
「…みんな俺の傍に来い、」
『もう錬金術を使うことも、扉を開けることもしなくてよろしい』
ドクン、ドクン…
エドが錬金術を使う前に、やつがトン…と肘置きを鳴らした。一瞬で何かの衝撃が走ったかと思えば、案の定また錬金術が使えなくなってしまった。
バン、と両手を合わせ手をつくもなにも起きない。前回と同じだ。
「くそ!錬成できない!」
『さらばだ。人柱諸君。』
掌にエネルギーの塊を生み出すと、一瞬でそれをホーエンハイムの真上から落とす。
激しい衝撃がエド達を襲った。
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