第35話
夢小説設定
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「(片っ端から錬金術師を捕まえて、強制的に扉を開ければいいのに…)」
なぜそれをいままでやらなかったのか。
扉を開けることが出来る力量の錬金術師が現れるのをやつらは待っていたのか。
あるいは…、
「気づいたか鋼の…、」
「!…、」
「私を錬成に巻き込んだ時…、奴は“この手は使いたくなかったが仕方ない”といった…。」
「…奴らにとっては“ハイリスク”ってことか…」
マスタング大佐を錬成に巻き込んだプライドを見る。特に目立った異変は見られないが…、
「…やってみっか…。」
バチィ!!
アルとふたりで錬成し突起した地面がプライドを襲う。
以前闘ったときは、得意の影で壁も地面も豆腐のように切り刻んでいたのだが今、なんと飛んで回避して見せたのだ。
「“逃げた”!」
それが何を意味するのか。
今はまだわからないが、前と比べて彼に何か異変が起きているという証拠だ。
「いままであらゆる攻撃を黒い影でかわしてきた奴が…逃げた!」
《また私の家を壊してくれたな…。まったく困った奴らだ。お…?》
「不老不死…いただきまス!」
“小さい方”をエドとアルに任せたメイが“お父様”に向かってクナイを投げ打つ。
《お前はこの場には必要ないと言ったはずだが…》
「そっちが必要なくともこっちのは必要なんでス!それにサヤ姉様も返してもらいまス!」
黒い親玉越しにサヤを見る。
いまだにピクリとも動く気配がない。
椅子に身体を預けたまま、錬成反応の紅い光に守られているかの様…。
「(姉様は幼い私を助けてくれタ…。だから今度は私が助ける番でス!)」
投げたクナイは額に命中したが、奴は怯む気配もなくそのままクナイを体内に取り込み、巨大化させてメイへと放った。
《返すぞ。》
「!!…っ、なかなかやりますネ!」
「ぶはぁ!…だめだお嬢さん!こいつはノーモーションで…!」
「ッ!!」
ホーエンハイムが自力で顔を出し忠告するも遅し。
メイが得意の体術で蹴りをくらわそうとつま先が奴の額にあたった瞬間…
バリバリィ…!
「――ッ!!」
「メイッ!」
遠くでアルが叫んだ――…。
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