第35話
夢小説設定
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その頃、地下深くではマスタング大佐がエド達のところへ召喚された。
《父上、5人目です。》
《うむ。5人揃った…と言いたいところだが、“器”とアルフォンス・エルリックがこちらに戻ってきていない。》
《…。“器”はまもなく来るでしょう。父上の血の一部を賢者の石に注ぎ混みましたので》
プライドの機転に満足したのか、そうかとだけ言う。
「うっ…」
「大丈夫かよ大佐!」
全身打ち付けたのか、手のひらの刺された傷も痛い。
耳元でエドの声が聞こえた。
「鋼のか…、ここはどこだ。」
「親玉の所だよ!大佐は何があったんだっ」
「真っ白い空間の大きな扉の前に放り出されて…」
その内容にピンと来たのか、エドが慌てて大佐の五体満足を確認する。
「ど、どこ持ってかれた!?足か!?手か!?」
「おわっ、なにをする!そこにいるのか鋼の!」
「…は?、何言って…」
さっきから妙に大佐と目が合わない…。
ずっと真っ暗だと言い続けている。
まさか…、と嫌な予感がした。
「…、何も…見え…ん…。」
「ま…さか…、大佐…」
《目が見えないのですか?それはいい。正直、今の国家錬金術師の中では貴方の能力が一番やっかいですから。》
そこで打ちひしがれていなさい。とプライドが言う。
大佐がこちらにやって来て少し後、上の階で消えたサヤも遅れて、こちらへ呼び寄せられてきた。
バチバチィと“お父様”から少し後の方で、先程の大きな一つ目が現れ、そこから分解されたサヤの体が元通りに形成されていく。
「まさかあれは…っ」
見慣れた姿にエドが叫ぶ。
《おぉ、ようやく来たか》
『……。』
返事は無い。意識が無いのか。
元通りになったサヤの身体はぐったりしたまま椅子の上に収まる。赤い錬成反応の光がパチパチと光り続けていた。
「おい返事しろ!サヤー!」
《無駄だ。あの“器”はすでに私のものだ。魂は賢者の石のエネルギーとしてとうに吸収している》
「─!な…、なんだとぉ!?」
《あれは私が使わせてもらう。光栄に思え》
やつがなにを言っているのか分からなかった。
賢者の石のエネルギー?
魂がすでに吸収されている?
それはつまり――…、
「嘘、だろ…?だってさっきまで…」
一緒に…っ、戦って――、
「どうなっている鋼のっ!」
「サヤが…、」
死んだ──…?
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