第34話
夢小説設定
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『捨てる…?』
「いかにも。」
『私に“捨てる駒”など1人もいない!お前と一緒にするなラース!』
剣を手にサヤが大総統に向かって突っ込んでいく。大総統も候補達が使っていた剣を奪い、彼女の攻撃を受け止める。
ガキンッ!
「サヤ!」
後ろでスカーが呼ぶ声がした。
しかし今の彼女にはラースを倒すことで頭が埋め尽くされている。
「意外だな。この私の速さについてこられるとは…。」
『ふッ!』
サヤが突きを放つも、簡単にかわされるとラースは一瞬で懐に入りこんで彼女の左肩を斬りつける。
その一撃に怯むもサヤは剣の持ち方を一瞬で変え、投げるように奴の左大腿に向かって投げ放つ。
ザクリ、と深く抉った。
「!…っ、」
そこで黙っていたプライドが動き出す。
これ以上サヤを傷つけるわけにはいかないと思ったのか。
《そこまでですラース。どいてなさい。これ以上“器”に傷をつけては父上に申し訳が立たない。》
「……。」
『く…っ、プライド!』
「姉様ッ!」
プライドの影がサヤを捉え、縛り付ける。
斬られた左肩からの出血が止まらない。
《それよりも早く“5人目”を作るのです。》
プライドの言葉に大総統はターゲットをマスタング大佐に向ける。
一瞬だった。
目に見えない速さでマスタング大佐に詰め寄ると、両手の剣で大佐の両手を突き刺し固定して動けなくしてしまった。
大佐!と中尉が叫ぶ。
向こうでは白衣の老人がよくやった!さすが私の…、というセリフはプライドの影に飲み込まれ消えていった。
『…っ、た、大佐!』
《この手はあまり使いたくなかったのですが、仕方がありません。…もう時間がない。》
どいてなさい、とプライドがラースに言い放つ。
「さて君はどこを持っていかれるかな?」
不気味な錬成反応が辺りを覆いつくす。
黒く、赤い光。
するとマスタング大佐の体がどんどん分解されていく。
駆け寄ろうとする中尉だが、巻き込まれるとメイが制止させる。
バチィ!と錬成反応が止まり、立ち上がる煙幕がおさまると、そこにいたのは…、
『消え…た…?、』
「大…佐じゃないよな…、」
「さっきのめがねじじい?」
大佐の姿はなく、いたのは先ほどプライドに飲み込まれた白衣の老人の面影を残した丸い球体のような物体だけだった。
「安心したまえ。大佐は今頃父上の所だ。…五体満足かどうかは保証せんがね」
さて…、と両腕を広げこちらを向いた。
「私はごらんの通りの有様だ。」
血が床に滴る…。
目の前の満身創痍の男にごくりと息を吞んだ。
はたして、打ち取って名を上げるのは誰か――…。
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