第34話
夢小説設定
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ここは私に預けろ。
『……。』
「姉さま?」
『…!』
ぼーとしていた。
さっきのマスタング大佐の顔が頭から離れない。
あの人もあんな顔をするんだな…。
『あの時の私も…』
「……。」
『あんな顔してたのかな…。』
隣を歩くスカーにぽつりと呟いた。
彼はなにも言わない。言わない代わりに頭をくしゃ、と撫でた。
マスタング大佐がエンヴィーは自分が倒すと言ってサヤ達を先に進ませてくれた。
だがそんな彼が気になって仕方がない。
ホークアイ中尉が何とかしてみせる、とは言ってはいたが。
そんな時、珍しくエドがスカーに声をかけた。
「なぁスカー…ちょっといいか…」
「…。焔の錬金術師のことか…。」
エドは気まずそうにする。
「…かつて復讐に駆られた者として己れにはよくわかる…。」
「…っ」
「あの男、あのままでは自らの炎でおのれの心も焼き尽くすだろう」
『――…。』
わかってた。
わかっていたが、いざ言葉にされると余計に感じてしまう。
マスタング大佐が“あちら側”に落ちようとしていることに…。
――……。
『こっちだ。だんだん気配が強く感じる…』
「うぇ。なんか胸やけがするぜ。」
ダリウスが胸の辺りをさする。ジェルソとザンパノも同感だという。
マスタング大佐が気になったエドがスカーを連れて戻ってしまい、今はサヤ、メイと合成獣組のメンバーで地下を先に進んでいた。
『2人共、気をつけて』
「すぐ追いつく。」
「そっちも気を付けろよ」
『うん。』
……。
『大丈夫だろうか、』
「無事を祈るしかないですネ」
『うん…。』
心の中でみんなの無事を祈りながら先を進んでいく。
その時だった。
ドンっ!と地面が震えるような感覚を感じた。
だが地震とは違う別の感覚…。
『なに…今のっ』
「…。何かが起こりましたネ…、これハ…」
サヤ達が異変を感じた原因は、“第一段階”というもので、別の場所で戦っていたエドやアル、イズミ・カーティスという人柱候補たちが一斉にお父様がいるあの場所へ連れていかれたときに起こった衝撃だった。
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