第33話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
キザったらしいセリフも今は頼もしい。
隣にいたのはホークアイ中尉だ。
「懐かしい場所だな中尉。君の泣き顔が思い出されるよ。またああいう素直な涙が見たいものだね」
「…。水分は嫌いなんじゃないですか。無能になるから。」
「…。」
無能という刃がマスタング大佐を突き刺す。
打ちひしがれる彼の視界にふとスカーが映った。
「む。…スカー、」
「話はあとだ。さっさと戦え!」
ちょっとキレ気味。
大量の人形兵相手にさすがに疲れを感じてきたのだろう。
もたもたする大佐に八つ当たりのようだ。
だが、大佐も黙ってない。
かつての敵に上から物を言われるとむっとする。
「なにを…っ「了解。この白いのを倒せばいいのね」…!?」
文句の1つでも言ってやりたかったのに何故か中尉が先に了承したので言葉にする事が出来なかった。
『だめだ中尉!こいつら銃では死なないっ』
「…!またそんなの!?」
銃しか所持してない中尉には辛い相手だ。
「ああ。それで足元を攻撃しているのか。」
「悠長に構えてんなよ!とっとと手伝え…――」
パチン
ゴオオオオ…
『す、すごい…』
一瞬だった。
改めてマスタング大佐の焔の錬金術に驚かされる。
炎が味方の立つ位置を避け、あっという間に人形兵を全員丸焦げにしてしまった。
「この程度でてこずっているようではまだまだ。」
「……。」
あっけにとられるエド。
あんなに必死で倒したのにこれはこれでなんだかあっけない。
無駄な努力だったとういうか…。
唖然としていると今度は天井から物音が聞こえてきた。
それはだんだんと大きくなり、ついには天井が抜け落ちパイプやらなんやら落ちてきて。
「あたたでス…」
『え!?メイ…!』
天井のパイプと一緒に落下してきたのはシン国に帰ったはずのメイ。
そしてなぜかもとの姿に戻っているエンヴィーだ。
「あれ?お前ら…」
「サヤ姉さま!スカーさん!エドワードさんモ!」
『メイ!どうしてここに…!』
「バカ者!何故帰らなかった!」
「だっテ、だっテ…っ」
スカーに国へ帰れと言われた手前、メイは気が引けたがなにより情が彼女を再びここへ呼び戻す。
泣きそうな彼女にスカーはもういい、泣くな。とぶっきらぼうに言う。
存外、子供には優しい彼。
泣くな、といった声はどこか優しいて。
そういえばイーストシティのスラムにいたリック相手にもなんだかんだで言う事聞いてたような。
.
.