第33話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どか、ばき。
どのくらいの人形兵を倒しただろう。
なにせ賢者の石を注入された人形兵だ。簡単には殺しきれないため、顎を潰したり、両足を狙ったり。
はいつくばる人形兵で床が埋め尽くされてきた。
『はぁっ!』
「まだ出てくんのかよ!キリが無ぇ!」
「針が尽きそうだっ」
「こっちも唾液が枯れてきたっ」
倒しても倒しても扉から人形兵が溢れてくる。
いきなりこれだけの敵を倒すのにはさすがに体力が消耗される。
そんな時、床を這いずる人形兵にエドが足を取られてしまう。
「しまっ…」
「エドっ!」
目の前に迫る人形兵が大口を明けて噛み付こうとする。
『くっ…、』
噛みつかれようとしているエドを前に、サヤは手に持っていた布を開けた。
細長い剣が姿を見せる。
ザンッ…
「……っ」
『…。』
一閃。
人形兵が細切れになって崩れ落ちる。
その傍では、剣を片手にたたずむ彼女が。
サヤが切ったのだと気づくのに少し時間がかかった。
『エド、無事かっ』
「お、おうっ…助かったっ」
そう言いながら足を掴む人形兵を倒す。
うん、と返し、剣を手にしたサヤが次々と人形兵を切り刻んでいく。
そのスピードたるや、いつぞやの大総統のようで。
『ふっ…!』
「お嬢…すげぇ…」
思わず、ジェルソがポツリ呟く。
その場にいた者たちを圧倒させた。
その堂々とした姿、貫禄に全員の脳裏に“皇帝”の文字が浮かぶ。
『まだ出てくるのか…』
「さすがにやべぇぞっ」
と、その時。
塞いでいた背後の入口の壁が突然吹き飛んだ。
その入口に立つ2つの影。
『なにっ!?』
「!?」
あまりの威力に人形兵と一緒にエドも前へ吹き飛んだのを視界の端に映る。派手に顔面から転んでいたな。
「手を貸した方がいいかね?鋼の。」
『あ…、え…っ』
マスタング大佐!?
「いっつもいいところでしゃしゃり出てきやがるな大佐!」
.