第32話
夢小説設定
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足の先から頭のてっぺんまで電気が走ったような悪寒が襲う。
エド達も何かを感じたようで。
それよりももっと敏感に感じたのが、
『ぅ…っ』
「っ!どうした、」
両膝をついてうずくまったのはサヤだ。
顔が真っ青で、呼吸も荒く。
左手を地面について身体を支え、口元を抑えた。
吐き気ではない何かがこみ上げて来るような感覚に襲われる。
スカーがサヤと目線を合わせるように膝を折る。
『い、今…何かが起きた…、』
「大丈夫かっ。何かって何だよ!」
と、エド。
『っ…、口では説明しづらい…。』
胸の奥がぞわぞわする。
初めてこの国に来て感じたあの感覚よりもずっと酷い。
『まるで、うごめいていた大勢の人の気配が一気に解き放たれたような…、そんな感覚…』
「な、んだそりゃ…」
そういってエドは暗い道の先を睨みつける。この先に何かが待ち構えてるってことか…。
「立てるか。」
『う、うん…。』
差し出された手を取りなんとか立ち上がる。
きっとこの先は激闘が待っているはずだ。サヤは差し出されたスカーの手をぎゅっと握った。
「なんだ…。」
『守るから…。』
「…!」
絶対に。
彼にしか聞こえない小さい声で、でもちゃんと彼に届くようしっかりと。
驚き目を見開くスカー。だがすぐにふっと笑った。
『なんで笑うかなぁ…』
「気にするな。」
そういって頭をぽんぽんと撫でられる。
んー?これはどういう意味だろうか。
疑問に思いながらも歩みを進めると、その先でエドの悲鳴?が聞こえた。
その理由が、
「なんかあいつらやけに仲良くねぇか?」
「そりゃだってお前…なぁ?」
ジェルソに、おう。とザンパノが相槌。
「なんだよっ」
事情を知る2人が理解出来ないと言う顔のエドにこそっと耳打ちする。それにダリウスも耳を寄せた。
「お嬢、スカーに″ほの字″らしいぜ。」
それはつまり、惚れているということ。
エドは頬を赤くする。
「ほんとかそりゃっ」
ちょっと驚いた様子のダリウスとは違い、エドは…、
「んなんだってーーーー!?」
ーーー……。
エドの声が通路にやまびこになって返ってきた。
突然の悲鳴?にサヤがエド?と振り向く。
「お、お、お前…っ、」
『ん?』
なんでそんなやつを!と言おとしたが後ろからダリウスに口を塞がれ、ふがふがとしか聞こえなかった。
「男の嫉妬は醜いぜ。」
「〜〜〜っ!」
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