第32話
夢小説設定
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物々しい雰囲気が中央の街を覆っていた。
スラムで馬を借りてここまで来た一行が目的の入り口を目指してきたのだか…。
「だめだな、こりゃ。」
「ちょうど軍の集合場所になってて近付けそうもない」
くっそー、と物陰から周囲を見渡す。
『強行突破する?』
「するにしてもちょっと厳しいな」
『んー。』
出来れば無駄な戦闘は避けたい。
だとすれば別の手段を選ぶしかない。
『あるとすればあとは…、軍司令部くらいか…』
「…!、それだ!」
軍…というフレーズで、はっ、と思い出したようにエドがそれだ!叫んだ。
「軍の第三研究所だ!以前アルと大佐が侵入してラストと闘ってる!」
場所が変わって第三研究所。
『見張りが3人、か…』
茂みの中から様子を伺う一行。
予想通りの手薄さにしめしめと思う。
「どれ一丁やるかっ」
はりきって腕をならすダリウスにエドが待ったをかける。
「ここは″俺達″の肩書きの使い所だろっ」
『″俺達″?』
聞き間違い?
どういう意味かたずねる前にエドに腕を掴まれ茂みの中からひっぱり出されたサヤ。
『エ、エドっ!』
「たすけて兵隊さーん!国家錬金術師のエドワード・エルリックでーす!」
エドに気づいた憲兵。
エドの視線がお前も言え、と訴える。
『〜〜っ、同じく国家錬金術師のサヤ・グレイス…です、』
演技なんてしたことが無い。こうなりゃやけくそだっ、とでも言うかのようにセリフを棒読みする。
「え!?国家錬金術師殿!?」
「指名手配犯に追われてます!タスケテ!」
「む。」
憲兵の視線の先には都合よくスカーがいた。
まさかここでダシに使われるとは彼も思ってなかっただろう。
「なに!?」
「あ、指名手配の男だ!」
「動くな!」
と拳銃をスカーに向ける憲兵3人
その背後でエドがスカーよりも凶悪な顔で憲兵達に襲いかかる。
男たちの悲鳴が響き渡った。
「お前ひどいね、」
『そう思う…』
「グズグズしてる暇はねぇだろ」
ホーエンハイムも息子の粗暴にドン引き。
しかし批判もお構い無し。
手段は選ばない所だけみるとエドは悪党より悪党らしいと思う。
というか私も出る必要が果たしてあっただろうか……?
疑問に思いつつも研究所の中をズカズカ進むエドに遅れまいと後を追った。
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