第31話
夢小説設定
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「わかった。…そのかわりひとつ約束してくれ。」
『何?』
「…、…死ぬな。」
サヤが驚いた表情を見せる。
無理はするなとか言われると思っていた。
「無茶はするなといってもどうせ聞かんだろう。」
『……。』
お見通しのようで。
彼と過ごした期間は長いほうではないのだが、ちゃんと彼女のことをよく理解している。
『わかった。…約束する。絶対死なないと。…なるべく無茶もしないようにする。』
「そうしてくれ。」
付け加えられたセリフにスカーは小さく笑った。
切実に願う。
もはや無茶をしまくる彼女の姿しか思い浮かばないのは悲しいかな。
するとスカーはポケットから何かを取り出し、サヤの手に乗せる。
なんだろうと、と掌に乗せられた“それ”を見た。
『これは…、…賢者の石…?、いえ、違う…』
それは首飾りだった。
小指くらいの大きさの“紅い石”がついていた。
だがサヤの知る賢者の石の紅さではない気がした。
見上げるサヤの視線に気まずそうに彼は口を開く。
「お守りだ。持っていろ。…気休めにしかならんが…」
『くれるの?』
「あぁ。」
もう一度その首飾りをまじまじと眺める。
その紅い石はどこか太陽の様な光を含んで輝いているように見えて。
まるでスカーの、イシュヴァールの民特有の紅い目と似ている気さえした。
「イシュヴァールに古くから伝わる鉱石だ。“イシュヴァラの瞳”とも言われている…。」
『すごく綺麗な紅い色…、スカーの瞳とよく似てる。…そうか…、だから”イシュヴァラの瞳”ね…、』
まさかそんなことを言われるとは思ってなかったので渡した本人驚いた。
『ありがとうっ。…ちょっとこれもっててっ』
「…?」
ずいっと剣をスカーに押し付けるように渡す。
つい受け取るとサヤはもらった首飾りを付けた。
彼女の首元で紅い石がキラリと光を放つ。
それを見てすこし満足する自分に気づく。
頭を振って邪念を振り払うと持っていた剣をサヤに返した。
手には、母の剣。
首には、スカーからもらった首飾り。
もはや最強に思えてきた。
『お守りが2つも増えた。私、今最強かも。』
「……。」
『そんな顔しないでよ。』
一言でいうなら呆れ顔。
それでも嬉しそうにする彼女の頭をくしゃっと撫でた。
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