18話
夢小説設定
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「…で、なんで旦那は敵にも等しい人間を連れて来たんですか?」
と、ヨキ。最もな質問だ。
「利用価値があるからだ。」
そう言いスカーはマルコー、と声をかける。
「は?」
振り返った瞬間、マルコーはスカーに顔面を右手で破壊された。
顔全体から血が出て、真っ赤に染まる。
「うごあぁああ!」
「旦那!?」
「スカーさン!?」
「顔の表面だけ破壊した。娘。こいつの血を止めてやってくれ。」
「エ?」
「血を止めるだけでいい。」
顔はマルコー本人だとわからないくらい崩れていた方が都合がいい、とスカーは話す。
「これから移動するのでな、」
「え?どちらへ?」
「己れが兄から受け継いだ研究書を隠した場所…、」
次の目的地は、北―――。
「もう1人くる。そいつが来たら出発だ。」
「もう1人…?」
状況が把握出来てないヨキとメイは揃って首を傾げた。そこへタイミング良く、彼女がスカーの元へやってくる。
「来たか…」
『見つけた。ここにいたか…』
「あ……!…サヤ姉、様?」
薄暗い路地の一角にサヤが現れる。案の定、ヨキは誰だ?となるがメイはこれでもかというくらい涙を溜めた目を開く。
「ど、どうしテ…っ」
サヤ姉様がここに、と状況説明をスカーを見上げる形で求める。
「マルコー同様、利用価値があるから共に連れてきた。」
『言ってくれる…。』
まぁ確かに利用価値がなければこうしてここにすら居なかっただろうが…。
むしろ、あの時完璧殺されてただろうし。
「~~~っ!サヤ姉様ー!」
『うわっ!め、メイっ』
会いたかったでスー!と涙たっぷりの顔でメイがサヤに飛び込むように抱きつく。
勢いのあまりの後ろに倒れそうになったが、背後にいたスカーが支えてくれた。
『あ、ありがとう…』
「礼はいい。頼んだ物は買ってきたか、」
うん。とサヤは返事する。
彼女の片腕に抱えられている紙袋から衣類がちらっと見えていた。
『はい、マルコーさん』
「?、なんだい?」
『新しい服です。それと、イーストシティ行きの列車のチケットを3枚。』
マルコーさんの新しい服と防寒服、そして何故か列車のチケットを3人分。
『本当に3人分で良かったのか?』
「あぁ。己れとこいつで陽動に西周りで北に向かう。お前はマルコーとこの娘を連れて東周りで北に向かえ」
これはスカーの考えた陽動作戦である。
西で自分の目撃情報を回し、東から向かうサヤ達の警戒をそらすためだ。
スカーはヨキと西周り、サヤがマルコーとメイを連れて東周りで。
そのための3人分のチケットということだ。
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