18話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
早朝、朝霧の立ち込めるまだ薄暗い路地裏をスカーとマルコーが歩いていた。
スカーが身につけていた上着をマルコーに着せ、顔を隠しながら歩く。
しかしそこにはサヤの姿はなく。
「奴ら気付いて追ってこないだろうか…」
「追われたくないなら早く歩け」
スカーに言われるがまま、後を追うように足早に歩くマルコー。
しかし奴らに見つからないか気が気ではない。
「どこへ行くんだね、こんな格好で歩き回っては逆に目立ってしまう。…それにサヤちゃんは…」
「あいつには使いを頼んだ。じきに戻ってくる」
地上へ上がった際、スカーがサヤに使いを頼んだため別行動に。
今2人が向かっている場所を伝えたので中央での生活が長い彼女なら直ぐにわかるだろう。
2人が向かう先は薄暗い路地の一角。
日陰者達が生活をする場所だった。
目的の場所に着き、サヤが来るのを待つ。その間にはぐれていたメイが戻ってきた。
「おっ、旦那!あの娘戻って来ましたぜっ」
「スカーさン!無事でしたカ…、あレ?」
あの時アルに助けられたメイは彼らの知り合いの医者の元で養生し、かくまってもらっていたという。
そんな彼女がマルコーの存在に気づく。
「お仲間さんが増えましタ?」
メイの言葉にスカーは顔をしかめて全否定する。
「己れにとっては敵にも等しい存在だ!」
「マルコーという医者です」
「マルコーさン?」
はて、どこかで聞いたような…、と記憶をたどるメイ。
あ!と思い出す。
「ノックスさんの話に出て来たお医者様!」
「君、ノックス氏の事を知っているのかい?」
どうやらマルコーとノックスなる者は同業者らしく知り合いだそう。
メイもそのノックス先生という医者の元でお世話になっていたようで、たまたまその彼から聞いた話にマルコーが出て来たのだという。
「イシュヴァールでのお話を聞きましタ。軍医さんだったっテ…」
「!……、」
「?、あノ…?」
下を向き、黙り込んでしまったマルコー。メイの言う医者という言葉が今の彼には何よりも重かったのだ。
「医者などと笑わせる。賢者の石を作り、イシュヴァール殲滅に加担した男だ。」
「賢者の石って…、あの伝説の?」
「不老不死ノ…!?」
スカーの話に驚くヨキとメイ。
賢者の石と聞いてメイはマルコーに食いつく。
「マルコーさんは石の作り方を知ってるんですカ!?どうやっテ、どこにあるんですカ!?」
「え…、いやそれは…」
「よせ。そんな物求めるな」
欲してはいかん。とスカーは言う。
.