02話
夢小説設定
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「だーーっ!
オレを見下ろすなぁーっ!」
『“小さい”お前が悪い。私のせいじゃない』
「なんだとー!?」
「二人共落ち着いてっ」
アルフォンスに言われては仕方ない。
すんなり大人しくなる私にエドワードがおいっと突っ込んだ。
ここは東方司令部。
トレインジャックの事後処理後、一緒に司令部に戻ったサヤ。
今はホークアイ中尉が入れてくれたコーヒーで一服中だ。
そしてエドワードとアルフォンスはというと、
「あった。これだ…
“遺伝的に異なる二種以上の生物を代価とする人為的合成”──
キ メ ラ
つまり、合成獣錬成の研究者が市内に住んでいる」
──"綴命の錬金術師"
ショウ・タッカー
イーストシティ内で生態錬成に詳しい錬金術師を紹介しろと大佐に頼んでいた。
トレインジャック犯を捕まえるのに協力した貸し、だそうだ。
『─ショウ・タッカー…
確か2年前…人語を使う合成獣の錬成に成功して国家錬金術師の資格をとった人だったな…』
「その通り。」
コーヒーで一服したあとエドワード達はその
ショウ・タッカー氏の邸宅を訪問するべく移動していた。私も生体錬成には多少興味があったのでショウ・タッカー氏の自宅訪問に同行させてもらうことにした。(エドは不本意だが)
「人語を使うって…っ
人の言葉を喋るの!?合成獣が!?」
『当時の報告書だとそのように書いてある。信じがたいけれど…』
「私は当時の担当じゃないから実物を見てはいないのだが、人の言う事を理解しそして喋ったそうだよ。」
──ただ一言…
「死にたい」と…
『……。』
「……。」
「その後、エサも食べずに死んだそうだ…」
大佐が教えてくれたショウ・タッカーという人物と残された当時の記録。
なんとも言えない黒い渦が胸をかき乱すような気分だった。
死にたいのたった一言で亡くなった合成獣になんだが悲しい気分にさせる。
「まあ、とにかくどんな人物か会ってみる事だね」
大佐はそれ以上なにも話さなかった。
そして訪れた一軒の大きな家。
でっけー家、と呟いたエドワードの感想には同感しながら豪邸を見上げる。
大佐がカランカランとベルを鳴らした。
しかし家の中からは物音がなく、代わりに庭の草影からガサッと音がした。なんだ?と思った瞬間、大きな影がエドワードに襲いかかった。
エドワードの情けない叫び声がタッカー邸に響き、それは呼び鈴よりも大音量で、その声で気付いたのか玄関がガチャと開いた。
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