16話
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「スカー!イシュヴァールの内乱の真実を教えてやる!」
「……!」
「!、こら!」
その言葉にスカーは咄嗟にエドを視界に入れる。
エンヴィーが止めに入るがもう既に遅い。
聞かされた言葉にスカーも思わず耳を傾ける。
「内乱のきっかけになった子供の射殺事件は、このエンヴィーってホムンクルスが軍将校に化けてわざと子供を撃ち殺したんだ!」
『……!?』
イシュヴァールの内乱の事は知っていたが、今の話はサヤも初耳だった。
「内乱はこいつらの差し金だ!こいつらは内乱の全てを知っている!」
全て聞き終えたとき、スカーの様子が激変する。
「詳しく話を聞かせてもらわねばならんようだな。…答えろ。何故我らは滅ぼされねばならなかった…。答えによっては貴様らを神の元へ…」
1歩1歩近づくスカー。
再生したグラトニーが背後から再び襲うが、またしても一瞬でスカーにやれてしまう。
「否、我らイシュヴァールの同胞が居る神の元へは行かせん」
『……。』
悲しくも激しい彼の怒りが肌を刺すように痛い。
「安息も救いも与えられぬものと思え!!」
スカーの前に立ち塞がるエンヴィー。
ビリビリと彼の怒りが全身へと伝わってくる。
感情のままにスカーはここが地下だということも気にせず、分解の錬金術を使って周囲を荒れに荒らした。
降り注ぐ錬成の破片が次々と襲いかかる。
『く…っ!(無茶苦茶なっ)』
「わわわわっ!」
「おーすげーすげー。人間のくせにやるなぁあのバッテン。」
「何をしているグリード。部外者を排除しろ」
存在を忘れそうになるくらい隅で大人しくしていたグリード。
サボっていた彼にお父様が叱る。へいへい、とめんどくさそうに返事はしたが、そうもいかなくなった。
すぐそばでエドがグリードを見ていたからだ。
「オレは信じねーぞ、リン」
「間違えんじゃねえよ。俺はグリードだ」
派手に暴れるスカー。エンヴィーが引いた瞬間、今度はサヤがスカーの前に出た。
『はぁあ!』
スカー目掛けて、クナイを投げる。
だが向かってくる物に対しスカーは右手でそれを分解する。
『投げるだけ無駄か…』
「邪魔をするなら容赦はせん!」
『それで結構!』
スカーと戦うのはこれで2度目だ。
奴の体術のレベルはもう把握している。
「ふんっ!」
『…っ!』
破壊の右手が顔を掠る。
そのスキに左手で腕を掴み、右手でスカーの右腕のある1箇所を指で鋭く突く。
その不可思議な行動に危険を感じたスカーはすぐさまサヤから距離をとった。
「(一瞬腕が痺れた…、何をした…)」
距離を取った隙に、“何か”をされた腕の手のひらを何度も握りっては開くを繰り返す。
『相手が人間であるなら私の適う敵じゃない。』
人体の構造は隅々まで把握している。
『知っているか、スカー。人体には急所が存在する。昔、シン国の医者が針一本で人を死なせたという話もある。…これがどういう意味化わかるか?』
「今のがその急所の一つ、というわけか」
「気をつけてスカーさン!姉様の錬丹術のレベルは私よりもはるかに上でス!」
「やっかいな…」
ヘタをすれば体を動けなくすることも可能だろうと、彼は予想する。
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