15話
夢小説設定
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「へぇ、あれをやる気だねお父様」
「“あれ”!?」
エンヴィーの言葉にエドが反応する。
ただただ悪い予感しかしない。
「ホムンクルスを作る。血液に賢者の石を流し込む。うまく行けば人間ベースのホムンクルスが出来上がる。」
「待て!賢者の石は高エネルギー体って…」
「そうだよ。石の中の魂との肉体争奪戦だ。でもあいつの体がそれに耐え抜くことが出来たら、強大な力を得られるだろう。サヤというホムンクルスもそうやって力を得て出来たんだ。」
「サヤ…」
『……。たいていは石の力に負けて死んでしまうがな、』
その言葉に危険を感じたエド達は必死に足掻き始めた。だが、巨大なエンヴィーの足元からはピクリとも動く事は出来ず。
リンに死が目前まで迫る。
「てめコラ、ヒゲ!!やめろ!!サヤ!お前もなんとか言えよ!こいつの知り合いじゃねぇのかよ!」
『…知らんな。』
「ふざけんな!」
リンがどうなろうと私の知ったことではない。
賢者の石がリンの中に入ろうとしている。そんな時すら、なんの感情も沸かなかった。
必死に止めようとするエド達。
だが、そんな彼らに待ったをかけるリン。
「待てエド!」
「!…、リンっ」
「俺はこれでいイ。手を出すナ!」
「なに言って…っ」
「ほう…、我が“強欲”を望むか。面白い。」
賢者の石がリンの傷口へ触れる。
すると石は傷口から吸い込まれるようにリンの体内へと消えた。
途端、リンの想像を絶するような叫び声が響き渡る。
「がぁああ…っ、ぐわああああ!」
「リン!」
『……。』
「手を…出すナ!」
サヤもこの痛みを乗り越えたんダ。男の俺が乗り越えられなくてどうすル…っ!!
ビシィ!とリンの体から錬成反応のような光がほとばしった途端、静かになる。
死んだか、と一瞬思われたがゆっくりとリンの体が起き上がった。
『…、リン…』
「あーあ。うまいこと成功しやがって。くそ生意気なあのガキの容姿が残ったんだ….。」
ムカつくなぁ、グリード。とエンヴィー。
「そういうお前も気色悪い容姿してんなオイ。」
どうもエンヴィーとグリードは昔から相性が悪い。
会ってそうそう喧嘩腰だ。
サヤは1人戸惑っていた。
容姿は限りなくリンだ。
だが、声はグリードなる者の声で。
『…グリード、?』
「んあ?誰だ嬢ちゃん」
『お嬢っ…』
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