15話
夢小説設定
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少し時間をさかのぼって、昼間。
「ホテルを引き払った!?」
「はい。」
「一体いつ!」
ホテルのフロントに詰め寄るエド、アル。ホテルマンにサヤの所在を聞いていた。
が、当の本人はとっくにホテルを出ているという情報を知る。
「2、3日前ですね。」
「くっそー、どおりで姿見ねぇわけだ。」
リンから聞いた探し人のサヤの話。
エド達が知るサヤと同一人物か確認したくて探しているのだが、ホテルにいないとなるとこの広い中央で見つけるのは骨が折れる。
頭を悩ませているとホテルマンが遠慮がちに実は…、と二人に話しかける。
「グレイス様のお忘れ物がございまして、」
「忘れ物?」
特定の場所をここ軍事用のホテルにしていたサヤにとって引き払った以上、ホテル側としては連絡を取る手段が無いのだ。
もしお知り合いなら渡して欲しいとホテルマンが見せたのは古い日記のようなものだった。
「日記か…」
「僕らが預かってていいのかな、兄さん」
自分達もサヤに会うすべがないのは確かだ。
だがエド達はサヤの忘れ物を引き取った。これがあればまた彼女に会える。そんな気がしたからだ。
結局サヤの所在が掴めぬまま、エド達はホムンクルス捕獲作戦を展開することに。
まさかこの作戦が今後の自分達の旅を大きく変えることになるとは、この時想像もつかなかった……。
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時間を戻し再び中央、最下層…。
「グラトニーの腹から出てきたのだ」
『グラトニーの?』
「おい!サヤ!てめぇどういうことだ!」
『エド…、』
そう叫ぶエドはアルと一緒に巨大化したエンヴィーの足元で押さえつけられていて身動きが取れない状態に。
リンはグラトニーの下敷きにされていた。
「やれやれ…。私の家をずいぶん荒らしてくれた。この場所まで一般人の侵入を許してしまうとは情けないぞ」
申し訳なさそうな顔をするグラトニー。お父様の視線はその足元にいるリンへと向けられる。
「威勢のいい奴だな。体力もありそうだ。」
そう言うとお父様は人差し指で額を縦にすっと一つ撫でる。額から流れ落ちた赤い液体。
それは一つにまとまり、見覚えのある物体となった。
『それは…』
“賢者の石”
「使える駒を増やせるかもしれん」
『……。』
「今ちょうど“強欲(グリード)”の席が空いている」
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