15話
夢小説設定
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夜が明け、サヤは久しぶりにホテルに帰ってきた。
だが、ただ帰ってきたのではなく今日でこのホテルから引き上げるために戻ってきたのだ。
早朝、隣の部屋から動く気配はなく。
おそらくまだ寝ているのだろう。なるべく物音を立てぬよう。
シャワーを浴び、荷物をまとめて部屋を出る。
ドアを開けた瞬間、ふいに隣の部屋のドアも開いた。
「サヤ、帰ってたの?」
『アル……』
アルフォンスだった。
そうだ。彼はあの体(鎧)だから眠ることが出来ないんだった…。
「どこか出掛けるの?」
『…あぁ。ちょっとな。エドは…まだ寝てるのか?』
その問いにアルフォンスは、兄さんはいないんだと、答えた。
『いない?アルを置いて出かけたのか?』
珍しい事もあるものだ。
いつも兄弟一緒にいたのに。
「うん。なんかね、アームストロング少佐に誘拐されてね。僕は目立つからここにいろって置いてかれたんだ」
『誘拐…。』
いろいろと謎すぎる。
それにアルの鎧がボロボロなのも気になる。右腕が取れて無かった。
それ以上、壊れないよう大きい布で簡易の補強がされている。
『なにか…あったんだな、』
「うん、いろいろあったよ。」
『そっか…』
エド早く帰ってくるといいな、とアルに言いサヤはその場から立ち去る。
またね、とアルフォンスが当たり前のように言うものだから少し心苦しくなった。
…もう会うこともないかもしれない友人に。
中央司令部、最下層
『ドクターは?』
「向こうの部屋にいるよ」
帰ってきたエンヴィーとグラトニー。
ホテルを引き払ったサヤはここ数日、ずっと地下に引きこもっていた。
エンヴィーとグラトニーが連れてきたマルコーさんは質素な部屋で監禁されていると聞いて会いに行こうとする。
そこは鍵もなにも無い部屋だったので、大丈夫なのかと聞けば、逃げ出したりしないさ、とエンヴィーは楽しそうに断言した。
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