14話
夢小説設定
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《何をしているのですか。》
『!……、プライド…っ』
どこからともなく聞こえてきた不気味な声。
感情の無い声にサヤは冷静さを取り戻した。
『…何をしにきたっ』
《仕事も片付かず街中で醜態をさらし、さらに我々の懐にまで侵入を許すとは情けない》
『懐に侵入…?どういうことだ!』
姿無き声に向かって話す。
《今日は引いた方が良いでしょう。エンヴィーを連れて下がりなさい》
『このままやつらを逃すというのかっ』
《黙りなさい》
『……っ』
有無を言わさないプライドなる者の声に、サヤもグラトニーも黙り込むしかなく。
《これ以上、文字通り“醜態をさらす”というのですか》
『……。…わかった…』
手に握り締めていた針を仕舞い、グラトニーに下がるよう合図する。
フードを再び深く被ったサヤは立ち尽くすリンへと向き直った。
『リン・ヤオ、命拾いしたな。次に会った時は容赦なくお前を殺す。死にたくなければさっさと国へ帰り二度と私の前に姿を現さない事だ…。』
「サヤ…。待ってくレ」
『……。』
背を向け立ち去るサヤの後ろ姿に向かってリンが引き止める。
「お前はそいつらの仲間、なのカ…」
『…だったらなんだ。』
「ホムンクルス、なのか?サヤも…」
リンの質問にサヤは顔だけ振り返り、妖しく笑うだけ。
その笑みは問いに肯定しているかのように感じられた。
結局、YESともNOとも答えることなく、グラトニーを伴いサヤはリン達の前から姿を消したのだった…。
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