13話
夢小説設定
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リンがこの国にいる…。
そう思うだけで、心中が冷静でいられない。
胸の奥がざわざわする。
いつも冷静な彼女からは想像もつかないくらいの荒れようである。
『いまさらなんだと言うんだ!』
ガンっ!と物に当たる始末。
中央司令部の廊下ですれ違う憲兵達が驚き、遠巻きに彼女の様子をうがかっている。
そんなことなどつゆ知らずサヤはエレベーターへと乗り込む。
行き先は地下深く。一般の者は誰も知らない最下層。
地下に着いて、エレベーターを降りる。
暗闇の中、辺りを見渡すが人がいる気配はなく。
誰もいないのか…。
とりあえず適当な物に腰掛け誰か来るのを待った。
「あれー?サヤー」
『?この声は、グラトニーか』
背の低い小太りした男の呑気な声。
久しぶりーと腕を上げる。
『グラトニー、お前1人か?』
「私も居るわよ」
今度は女性の声。
黒髪に黒いドレスが良く似合う色気のある女性だ。
以前イーストシティでスカーを襲ったのはおそらくこの2人だ。
『ラスト…』
「久しぶりね、サヤ。」
『中央に戻ってたのか』
サヤの質問にえぇ、と答えるラスト。
「退院出来たのね。もう怪我はいいのかしら」
『問題ない。仕事があるならやるが…』
「あれー?サヤ?」
新たに人が増えた。
エンヴィーだ。
「ここにいるってことはまた協力してくれるんだよねー」
エンヴィーの嫌味ったらしい言い方にサヤは視線を反らす。
『言ったはずだ。今はまだ石は返せないと…』
「なら、ちょうどいいや。」
にやり、とエンヴィーは笑った。
『マスタング大佐が…?』
「そ。いろいろと嗅ぎ回ってるらしい。最近になって急に動き出したみたいだよ」
『あの人もなかなかの切れ者だからな…』
話の話題はマスタング大佐だ。
ヒューズ准将殺害の件でいろいろ調べに回っているという。
「何か決定的な情報を掴んだのかしら」
とラスト。
グラトニーは合成獣にエサやり中。
「けっこう近いところまで知ってそうだよ。」
『どうする?迂闊な事は出来ないぞ』
「監視するなら目の届く所にと思って中央に移したけど失敗だったかしら…」
あぁいう手合いには扱いが困ると、ラストは呟く。
「大人しくしててくれないかしらね。……大事な人柱候補なんだから」
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