12話
夢小説設定
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「応急処置でス。」
「今のは錬丹術、か。」
「はい、ご存知なんですカ?」
「以前にも錬丹術で傷を治してもらったことがあるだけだ。詳しくは知らん。」
そう語るスカーの脳裏にはイーストシティのはずれのスラムで散々小言を言いながらもスカーの傷を治療したサヤの存在があった。
「そうでしたカ。その方はアメストリス国の方なのですカ?」
ふとメイが何気なく訪ねた質問に返ってきた答えが少女を激変させる。
「…いや。シンの国の出だと言っていたな。」
傷を治してもらったからか、スカーはメイに対して警戒心を少し緩め、聞かれた問いに簡潔に答え始めた。
「シン国の…。……、まさか!!スカーさン!その方の事、詳しく教えていただけませんカ!?」
「……?」
前のめりになるくらいの勢いでスカーに問うメイの姿に少し彼を驚かせた。
「もしかしてその錬丹術の使い手の方の名はサヤ・マオ、という方ではありませんカ!?」
「マオ…?たしかに名はサヤだったが、姓はグレイスと名乗っていたはずだ。」
「グレイス…。」
スカーの話にメイは考えこみ、ぶつぶつと独り言をつぶやき始める。
「ほ、他には?その方の容姿とカ…、」
「…黒髪、黒い目だったな。」
「歳は…16歳くらいでしたカ!?」
「そうだ。以前、自分は流刑にされた身だと話を聞いた。」
「流刑…!?」
その一言が決定打だったようだ。
メイは確信する。
「サヤ姉様に違いありませン!…やっぱり生きていらしたんですネ。…スカーさン!その方は今どちらにいらっしゃいますカ!?」
「…おそらくは中央だろう、」
「セントラル…。」
サヤとメイが関わりのある相手なのか。
スカーはメイの話についていけず、ただ聞かれたことに答えるのみで。
だがメイがサヤを探している、というのだけは会話の流れ的に理解できた。
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